【概要】
SM作品で一時代を創った著者の、数奇で陽気な半生記。アウトロー文庫の名に恥じず、アウトローな人びとが多数登場する。聖俗と美醜の境界がわからなくなる。
【詳細】
子守りや時代劇映画での性の目覚め、心に光る芦屋美人の面影、正月の「わいの女房とここでやれ」、人生の落伍者たちとの出会い、賭博や相場、文筆業への参入、SM小説・映画、浣腸レポ、縛り写真…。
無茶苦茶で痛快な半生記であるが、物書きはそれだけの経験を積んでいなくてはならないのかと思わされる。
今となってみれば、水江という悪女と一時期を過ごした事を私は実に幸せに感じている。男は一度悪女の味を知らなければ駄目だと思うのだ。商才はあるようだが、金離れもいい。
大儲けしたと思えば大損したり、ツキのジェットコースターが面白い。
文学性もあり人間味もあり。人生の悲哀と美を教えてくれる。
ついでにムラムラポイントも教えてくれる。
「丸裸に剥けばさぞや官能味のある裸身だろうし、俺は縛るならこんなタイプの女を縛りたい、と悪い癖で空想しているうちに股間が妙にうずき出し」
「債権者に強くねじこまれ、口実に窮し、遂には泣き出してしまう夫人に、嗜虐的な情欲のうずきさえ私は感じるようになってきた」