Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

問題解決の心理学

著者:安西祐一郎
評価:B+

【概要】
安易なノウハウ本ではなく、心理学的に「問題解決」とはなにかを分析していく。直接役に立つという内容ではないが、数多くの例題や図表を通じ心理プロセスを明確化するので、思考力向上に寄与することうけあい。問題解決時の錯綜した心理を第三者的な視点で冷静かつ俯瞰的に眺めてみる一助ともなるか。

【詳細】
この本は、
私たちが「何のため」にあることをするのか、また、どうしてそれができるのか、という問いに、心理学の立場から答えようとするものである。

『強力伝』『蒼氓』『二十四の瞳』を導入に使用し、問題解決者の類型を示したあと、物理の問題や郵便局員(四枚カード)問題、ヒマラヤ茶会(ハノイの塔)問題を通じ、人間の記憶や認知のゆがみ(ご都合主義、結果オーライなところ)を明らかにする。

記憶された膨大な量の情報の中から、問題を解くために必要なものだけを自動的に取り出して構成し直した、記憶のメカニズムの方に注目しなくてはなるまい。

私たち人間は、自分の問題を解くのに都合のよいように、関心のある周囲の世界の「モデル」を心の中に組み立て、それを心の中で変化させてゆくことができるということである。つまり、こうすることによって、私たちは、外の世界にかかわりなく、未来を、そしてどうすれば目的が果たせるのかを、心の中に思い描いてみることができるのである。

無意識のうちに、一貫した因果関係の網の目をつくりあげ、それによって新しいできごとを理解しようとする私たちの心の働き、それの表われが、「なぜ」という問いだと言えばよいのではなかろうか。

すでに起きたできごとを「原因-結果」の関係で理解しようとする私たちは、同じように、将来起きてほしいできごとを、「手段-目標」の関係によって現在の自分と結びつけるのだと言ってもよいかも知れない。

・問題解決者が持っている6+2の特徴
「生きて働く記憶」「原因-結果、および手段-目標の関係によるものごとの理解」「問題の適切な表現」「知識のダイナミクス」「自分を見る機能」「感情のコントロール機能」
+「意味敏感性」「知識の構造化可能性」

まとめて言えば、「何のために」を無限に問いながら、その問いを問い続け、また答え続けるために、多くのすばらしい心理的能力をシステマティックに発揮してゆける――それが、問題解決者としての私たち人間なのだと言うことができよう。