Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

復讐するは我にあり

監督:今村昌平
評価:A

【概要】

【詳細】
<あらすじ>
S39。いきなりつかまってる緒方拳。
九州弁で不遜になれなれしく刑事に話しかける。
ふてぶてしく爪切りを要求したあとは煙草をふかし、逃亡の78daysを、そして己の半生を振り返って行く。

まずは逃亡序盤の日々。
まず一人目。剽軽に近づきトラックに同乗。沿線木陰で強盗殺人し、血糊はションベンウォッシュ。
そして二人目。助手席から伸びる包丁、撒き散る血しぶき。凄惨。
リアルな抵抗を見せていた被害者も、次第に弱まっていく。 
ここでの西武-近鉄のつなぎは見事。

つぎに場面は彼の生い立ちに移る。
長崎での海軍主計将校に殴打され宣言させられ、舟を徴発される父親の姿。これが彼の心に社会への不信の種を宿した。
不良となってからは少年院収容や服役、米軍とコラボしての大暴れを経て、着実にゴロツキへの道を歩んでいく。
そんな彼もやがて結婚して…。

場面はまた変わって…。
きました流しっこ!
三國連太郎パパと倍賞美津子のもみもみ!
パパとのオトナな関係がいいんだな。
そして二人の関係よろしく豊かな乳房が自由自在に変形するんだ。
雨とともに美津子もひとときの夢も去って、湯の中にドポン。

やがてゴロツキ夫出所、開き直って妻の不貞を疑う。
認印を与えた三國とあわや刃傷沙汰。
そして修羅場見ていたオカン。ここでオヤジーヨメ、ママンーオガケンの勢力図が意識される。

また場面は変わって…。逃避続けるオガケン。
アリバイ作り 
京大教授になりすまし、静岡の連れ込み宿に潜伏。虚しく躍る「防犯強化」の文字。
「知らん同士でケモノみたい」に暴れ回る性豪。
一方、パチンコで勝った金を旅館のオカンに振舞うなど不思議な人間味を見せる。

詐欺で荒稼ぎする一方、殺人もやめられない。
観音扉からジジイコンニチワはやめてほしい。
すきやきや、売春宿の女将と夫のあてつけ愛などを眺めていると映画の幕間ニュースで身バレ。 
旅館BBAと人殺し同士競艇に行くなど印象的なシーンを残しつつも、
昔抱いた女に通報され遂に場面は破局へ。旅館の2人を殺害し逃亡劇は終了。

獄中にでの三國との一触即発シーンを挟むと、
時は流れ、三國と倍賞の2人でオガケンの遺骨を山上で散骨。

オガケンと父、正反対に見えるが美津子も知っていた。「お父さんズルい」って。
信仰と、子と嫁への詭弁。できないとわかっていて言ったり、本心を隠したりね。

こうして、幾人もの人生と時代が流れていった。 
妖しい魅力に溢れた、濃い2.5hであった。

<印象>
[構成]
実家と静岡宿がメインだがいろんな人物が登場する群像劇チックな構成。
構成がダイナミックで、人生や時代が浮き彫りにされるんだな(79年作)
緒方と三國の対決、三國と倍賞の微妙(みみょう)なカンケイ、残された家人の苦労、信仰と醜悪な現実、殺人鬼が2老母に見せるいたわりや道往く人に見せる気さくさ、そんな人間味と縁。
単純でない人間ドラマなんだな。

[演出]
印象的なシーン多数
・乳
・観音扉からジジイ
・旅館の引き戸バトル
・階段昇ってバアさん殺しと実家ババアの交換演出
・殺し後に窓開けると一瞬まぶしい風景

[雰囲気]
ケネディ東京オリンピックナチュラルに登場する昭和中期(50~60's)の雰囲気がいいんだな。
包丁が650円という物価や列車でタバコ吸いまくりな状態もそう。
昭和の暗黒面が覗けるぞなもし。

[緒方拳]
下駄ぴょんぴょん、膝枕未遂で一回転。
高笑い、ドスの効いた声、犬のモノマネ。
そしてなりきり力。千両役者だね。