Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ライオン

監督:ガース・デイヴィス
評価:B+

【概要】
生き別れの兄を探す。

【詳細】
<あらすじ>
1980年代インド。喧噪と猥雑さと貧しさの中、ある兄弟とその母と妹が共に暮らしていた。
サルー君、兄の仕事を手伝おうと駅までついて行くも眠くなり、駅でおねむ。
目が覚めると駅にはサルー君一人。皓々と照る電光。
回送列車を物色していたところはからずも出発、降りることもできず二三日経過。
やっと降りられたが千数百キロも移動していた。所違えば言葉も通じない。
街の雑踏の中、駅に段ボールを敷いて暮らすストリートチルドレンに。

眠りを貪ることも許されず、当局に追われる子供たち。
辛くも追っ手を振り切り、供え物を頂きながら生きる。
段ボール片手に歩いていると、優しい婦人声かける。
家について行くと体を洗ってくれ、ジュースもくれ、ベッドに寝かせてもくれる。
でも案の定、おばさん実は悪い人。人身売買の片棒を担いでいた。

悪い大人から逃げるため、サルー君走り続ける。
スプーンが縁で親切なオニイサンに見つかり警察へ。間違って覚えていたので出生地不明、新聞記事を出してもらうも、親兄弟は当然文盲なので読めない。帰れず。
施設に入れられ、日々過ごす。
そんな中、メガネおばさんの手引きでOZ里親に紹介され、社会階層大幅UP。やったね。

初めて乗る飛行機でOZへ。
出逢った里親の優しさに涙。ただただ涙。
ご飯時のSaltとSauceの言い間違い、微笑ましい。
黒い瞳と青い瞳のあいだには、いたわりと愛情があるばかり。
もう父母が聖人。
今の地球には人が多すぎるから貧しい家庭から養子をとるという哲学を持つ。

親子の絆を深めていく家族。
船やビーチでのアクアスポーツ描写が終わると、気付けば20年経過。
サルー君、鬚もじゃのオッサン化。インドでは考えられなかった大学進学を果たす。
大学の仲間と話しているとインド人のルーツが顔をもたげてくる。忘れていた昔の記憶が去来する(揚げ菓子、プラットフォーム、石拾い)。ついでにステディとベッドインする。
母と兄の面影がちらつく中、GoogleEarthなどの技術革新も手伝って里帰り欲刺激。
乗っていた時間と平均速度から、同心円状の線を引き故郷の位置特定を試みる。気になるよねやっぱ。
記憶とテクノロジーを駆使し位置特定。自分が覚えていた地名は間違っていたことが判明。
帰ろうと思えば帰れるが、アイデンティティクライシスに襲われ思い切れない。
サルー君が帰郷決意するまでの中盤がややダレ気味。

ここで現在の兄登場。同じく養子の兄はヤクやってるプータロー。
兄が許せないが、両親やステディの言葉、記憶の中の母親や兄の幻影に背中を押され、インドへ兄ちゃん探す旅に。
記憶の糸を辿り、子供のころに見たあらゆる情景を蘇らせる。
給水塔、蝶の舞っていた草原。これらの映像は全て伏線だった。
自分を探す兄の幻影とたびたび邂逅する。

そんなわけで母や妹と再会するんだけど、言葉が通じないのがまたね。
子供時分に言葉が通じなかったのと同様ね。
でも額に傷あるしね、わかるよ。ただただ抱擁があるばかり。

グドゥ兄ちゃんはとっくに故人だったことが判明。悲しい。
今は亡き兄ちゃんの思い出が自分を作った。この場所に向かわせてくれた。
これからは今の兄ちゃんと物語をつくっていこう。
実際の事件に基づいた話なのでリアル2013の映像を少し流した後、主人公の本名はサルーじゃなくてシュルゥであることが判明。
その意味は、「ライオン」。タイトルの伏線回収完了!

<印象>
なっち字幕だがあまり気にならない。
色黒チビッ子サルーのヒンディー語がかわいい。
インド、子供が毎年8万人行方不明なんて怖すぎる。誘拐や少年労働ビジネスが跳梁しているんやろね。
ヒンディー語ベンガル語、英語が交錯する。最近は現地語の映画が増えているような気がするので嬉しい。