Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

パッセンジャー

監督:モルテン・ティルドゥム
評価:B+

【概要】

【詳細】
<おはなし>
自動運転、自動修復、小惑星バリア、冷凍睡眠はあっても、
資源危機や戦争、心臓発作はなくなっていない、そんな未来。

系外惑星への移民船が旅の途上でシステムエラー、一人の乗客・ジムが90年も早く冷凍睡眠から目覚めちゃった。ひとりだけ。
1kmもある船にたったひとりだけ。とってもさみしい。
冬眠は不可逆。AIに窮状を訴えても「バグるなんてありえんすよ~」の一点張り。乗員を起そうと奮闘するも部屋に入れない。どないしたらええねん。
幸い食料や船内インフラは問題なく使用可。遊ぶしかない。
Lコーフィー片手に、バスケやダンスゲーム、映画、飯、酒、バーテンダアンドロイドと会話。さらには宇宙遊泳、自殺未遂。
さびしくて掃除ロボットに餌あげちゃう、宇宙服の指にぎっちゃうなど1年も経つころには孤独死寸前。

そんな彼をつなぎとめたのは片思い。
思いを断ち切れず乗客の中からイヴを選定。やるかやらないかで悶々とするが、バーテンダアンドロイドの言葉に背中を押され、アダムが禁断の行為に手を染める。

そんなわけで厳選したパートナー・オーロラとダンスゲーム、バスケ、映画、バー、そしてドレスでお食事デートを敢行。船外デートでふたりだけを強く認識し、おててをつなぎやり辛そうにキッス。
若い男女が一つ舟の下、こうなったらやることは一つしかない。
もう待ちきれずにベッドイン。次の日もまた次の日もイチャコラし倒す。

資材でつくった婚約指輪を渡そうとしたその日、バーテンダアンドロイドがうっかりバラしちゃう真実。
「ジム、アンタなにしてくれとんねん! これ殺人やぞわかってんのか! どつくぞ」
「さびしかったんです。スンマセン」
ケンカってレベルじゃない。実際どつく。「唯一の読者を私は許せない」。
これ、どーすんの①ね。
気まずすぎる二人に追い打ちをかけるように、だんだん壊れていく舟。
これ、どーすんの②ね。

ここでまさかのエラー。3人目の覚醒者・機関長登場。That'll be interesting.
未だ気まずいながらも話すきっかけを得る。
容赦なくどんどん舟はsinking ship状態に。重力ロスさえ起こってもう大変。
しかも起き方がまずかったのか機関長すぐ死ぬ。IDを託し力をあわせろと遺言。

もうこうなったらケンカしている場合じゃない。というわけで舟直し作戦を敢行。
扉開けないと排熱不能、扉は開けっ放しにできないなど、2人いないと解決できない課題が与えられているのはオイシイ。1人ではできなかった。結果的には起してよかった。
なんとか舟直すもジム酸欠で死にかける。が、ID駆使したメガ盛蘇生で復活。仲直り。相手がかけがえのない存在であることの再確認と、運命の肯定に至る。
その後、治療カプセルで一人だけ冷凍睡眠できることが明らかになるが、二人がとった行動は…。もはや言わずもがな。悲恋で終わらない。
オーロラを起こさなければ解決できなかった。システム異常が起こらなければジムオ-ロラが出会うこともなかった。
88年後、他の乗客起床。そこには生活の足跡と英雄たちの物語があった。

<他>
ねじれた錨が三つ廻っているような形状の舟やアンドロイド、インターフェースなどの映像が近未来。
アルクトゥルス重力ターンやテザーがビーン、シールド捨てて反作用、重力ロス⇒回復などの描写が宇宙的でよかった。
ゼログラインステ2001あたりと併せて楽しみたい。

ジムとオーロラが技術者と作家っていう設定もよかったね。校舎の知的っぽい雰囲気やかすれ声もよかったね。
一人だけ眠らせられるとして、君なら最後スリープしたか? しないよな。男同士なら奪い合いになってただろうけどね。
説明を最小限にとどめた背景描写もいいね。
FailSafeやゼロリスク信仰への懐疑も感じられる。
子作りすると子供が大変だからしなかったんだろうね。 

<おまけ>
喜久屋のCMが気になって夜も眠れない。