Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

アメリカン・スナイパー

監督:クリント・イーストウッド
評価:B+

【概要】
イラク戦争英雄の苦悩と決断。

【詳細】
9.11を受け、SEALSの一員・カイル先輩(実在)が戦闘続くファルージャあたりで100人以上狙撃スナイプする。
兵士もその家族も無辜の(?)民も、戦争の傷痕に苦しまねばならぬ。
妻や子への愛情を確かめる日常パートと、戦争の冷酷さや醜悪さを戦闘パートが実に対照的である。

国や家族を守るためといくら大義は掲げても、人殺しであることに変りはない。心は徐々に蝕まれる。
任務が一段落すると家族のもとに戻るが、心ここにあらず。それどころか戦闘のPTSDに悩まされる。
そんなわけで妻子への情やみがたく、Tour 4で終了を決意。
退役後は同様の傷痕を持った兵士をヒーリング…してたらまさかの映画製作中に殺されるという不条理。すべての犠牲者に冥福を祈る。

市街戦やリンチ、虐待。いつの世も戦争は悲惨なものである。
正義の在処を問いかけるような映画が米国で作られるとは。
でも、ゲリラの地下ネットワーク(情報、武器)や、市民ゲリラの自爆テロのやや多めの描写は「オレらもしゃあなかったんや! 誰が敵なんかわからんかってん!」と若干同情を誘っているように感じなくもない。
まあ見方を変えれば、双方のエグさを描くことで、勝敗や善悪を越え中立的に戦争のむごさや不条理を映し出したともいえるか。

冒頭の母子殺害をはじめ、武装集団との凄惨かつ緊張感ある銃撃戦、舞い上がる砂塵、スナイパー同士のバトル、衝撃のアウトレンジ殺法などが印象に残る。
あと印象的なのは、魔改造TOYOTA車や奥さんの容貌かな。