Javaさんのお部屋・改

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木簡が語る日本の古代

著者:東野治之
評価:B+

【概要】
地味だが面白い。勤務評定、税のタグ付け、漢字の書き取りなど、当時の下級官吏(パートタイマー含む)のつつましい日常が窺い知れる。

【詳細】
古代の情報処理支援ツールとして使われていた木簡を頼りに、当時の下級役人の生活に迫る。
形骸化した勤務評定や、勤務日数などの任用規定、交通費手当や社員寮などの福利厚生、さらには登用試験の内容やキャリアパスまで、古代の公務員の働き方が身近に感じられる内容となっている。
勤務評定制度は、制度の意義が忘れられた結果、形骸化したのではなく、むしろ積極的に骨抜きにされることによって、貴族層の利害を守り、役人たちには年功による昇進を約束するものとなっていたのである。

ほかにも文選、千字文、難波津の歌などテキストの手習い、税のタグ付けや馬の捜索願いなど、下級官吏(パートタイマー含む)のつつましい日常が窺い知れる。

木簡はときに紙の資料よりも雄弁である。
少なくとも奈良時代までの貴族は、純粋な都市生活者ではなく、多分にその生活基盤を彼らの本拠地に残した存在だったことが、(中略)明らかになっている。いわば彼らには帰るべき 「いなか」があったというわけである。

八世紀前半などでは、どんな役人でも生産に関与しなければやってゆけなかったであろう。
しかし、8世紀を通じて徐々にこのような状況は変化していく。給与の財源になる現物租税が粗悪化し滞納されがちになる一方、これと表裏して流通経済が発達し商品の種類と量が増してくる。役人にとって給与の支給を受ける基盤は危くなってきたが、発達してきた流通経済を利用し、都に本拠をもつほうが有利な条件が生まれてきたのである。



池山君と一緒に蘇づくりしたいと思った。