Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

機動警察パトレイバー2 the Movie

監督:押井守
評価:B+

【評】
押レイバー第二弾('93)。
不明機より放たれたミサイルによる橋梁の破壊。
これに端を発する事件が、近未来の日本に戦争という時間を作り出す。
自衛隊と警察が権限拡大を図り、強硬な軍拡競争の様相を呈してくる。
犯人を捕えようと奔走しているうちに、この一件は壮大な演習であったことが判明する。
もしもこれが、本当のテロだったら…。
来るべき9.11.を予見していたように見えなくもない。

上記内容に加え、「不正義の平和と正義の戦争」「偽りの経済的発展」などの荒川(斜視・竹中直人)の言葉から、バブル崩壊ソ連崩壊、ユーゴ紛争やPKO協力法など、混迷を極めていた当時の世界や日本のすがたが浮かび上がる。
会話劇が多く内容も小難しいが、しっかり物語に引き込むあたりはさすが。
終盤の犯人逮捕で思い出したようにロボアクションを入れてくるのもニクい。

VRや大型二足歩行ロボはあるが、タッチパネル等がなく映像メディアやスイッチが旧式なのを笑うのは我らの後知恵である。
当時のデジタル技術の驚異に眼を瞠れ。

特徴的なシーンとしては、
3人でビデオ覗き込み、明滅する夜のハイウェイ車中、南雲さんと柘植の指の混ざりなど。
「〇〇、おくれ」「武器の使用を許可する」などの自衛隊っぽい用語もシンゴジなどと合わせて楽しみたい。
いつかは押井感のない原作も読んでみたい。