Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

一握の砂・悲しき玩具

著者:石川啄木
評価:B+

【評】
タク坊。独特のセンスが光る。
実生活はともかく、彼の歌には不思議な魅力がある。
寂しげでカッコつけで、どうしようもなく悲しくて・・・。 

【レジェンド系】
東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる

頬につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず

たはむれに母を背負ひて
そのあまり軽きに泣きて
三歩あゆまず 

はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢつと手を見る

【Deep Dark系】
いと暗き
穴に心を吸われゆくごとく思ひて
つかれて眠る

高きより飛びおりるごとき心もて
この一生を
終るすべなきか

一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと

どんよりと
くもれる空を見てゐしに
人を殺したくなりにけるかな

【プー太郎系】
何となく汽車に乗りたく思ひしのみ
汽車を下りしに
ゆくところなし 

家を出て五町ばかりは、
用のある人のごとくに
歩いてみたれど――

【ピンポンダッシュ系】
知らぬ家たたき起して
遁げ来るがおもしろかりし
昔の恋しさ

【あるよね系】
笑ふにも笑はれざりき――
長いこと探したナイフの
手の中にありしに。

よごれたる足袋穿く時の
気味わるき思ひに似た
思出もあり 

【尾崎系】
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸われし
十五の心

【J-POP系】
かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど

【ひとり系】
鏡とり
能ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ
泣き飽きし時 

すつぽりと蒲団をかぶり、
足をちゞめ、
舌を出してみぬ、誰ともなしに。

『石川はふびんな奴だ。』
ときにかう自分で言ひて、
かなしみてみる。

【コミュ二系ション】
空寝入生呿呻など
なぜするや
思ふこと人にさとらせぬため 

さりげなく言ひし言葉は
さりげなく君も聴きつらむ
それだけのこと

【何となく系】
何がなしに
息きれるまで駆け出してみたくなりたり
草原などを 

何がなしに
頭のなかに崖ありて
日毎に土のくづるるごとし

ゆゑもなく海が見たくて
海に来ぬ
こころ傷みてたへがたき日に