Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

コーラン

訳:井筒俊彦
評価:B+

【評】
慈悲深く慈愛あまねアッラーの御名において・・・・・・

まあ、これを聞いてくれ。

歌だ。神を讃え、世界に感謝する歌だ。


こっちはちょっと違った風ぢゃぞい(・ε・)

ムハンマドジブリールヘッドロックキメられながら誦まされた、アッラーのありがた~いお諭しの言葉集。
両聖書のようなエンターテインメント性はあまりなく、異様に繰り返しが多い。神は心配性なのね。
たまに思い出したように戒律(断食、利息禁止)や遺産相続 などの現実的な話、ワンポイントアドバイスを授けてくれる。
たびたび来世・アッラーに投資するよう勧められる。

天国と地獄、世界滅亡の日の描写や、
椰子の実の皮、棗椰子の糸一筋、駱駝、ターバンなどの砂漠的たとえは必見。

本当の宗教心とは、アッラーと最後の日と諸天使と聖典と預言者たちとを信仰し、己が惜しみの財産を親類縁者や孤児や貧民、また旅路にある人や物乞いにわけ与え、とらわれの奴隷を購って開放し、また礼拝のつとめをよく守り、こころよく喜捨を出し、一旦約束したらば約束を果し、困窮や不幸に陥っても危急の時にのぞんでも毅然としてそれに堪えていく人、そういうのが誠実な人、そういうのこそ真に神を畏れる心をもった人。

●全知全能、神の奇蹟系

アッラー)のお手元には目に見えぬ世界の鍵まで全部揃っている。ほかの者は誰一人(その鍵のありか)を知りはせぬ。陸上のこと海上のこと一切御存知で、木の葉がたった一枚落ちても必ずそれを知り給う。地下の暗闇にひそむ穀粒一つも、青々としたものも、朽ち枯れたものも、一切は皓々たる天書に書きつけてある。

汝ら、よく見るがよい、みなそれぞれに実をつけて、熟したさまを。まことに、信仰ある人々にとっては、これこそまぎれもない神兆ではないか。

アッラーはお前たちをまず泥で作り、次に一滴の精液で作り、次に(男女の)組にしてくださったではないか。どの女が胎に宿すものも、産み落とすものも、一切御存知。長生きするものは長生きするで、みんな(天の)帳簿に記入してある。

夜も昼も、太陽も月もみな(アッラー)の神兆。

●自己正当化/疑われ系

我らが(以前に啓示した)文句を取り消したり、わざと忘却させたりする場合には、必ずそれ以上か、それと同等の(代わりの文句)を授けるようにしておる。アッラーは全能にましますことを汝は知らないのか。

それでも彼らが「どうせこれは、あの男のひねり出した偽物さ」と言うのなら、お前、言い返してやるがよい・・・(略)

たこうも言っている、「この使徒はなんでめしを食ったり、市場をぶらぶら歩いたりしているのだろ。なんで天使が派遣されて来て、一緒に警告しないのだろ。なんで金銀財宝が(天から)降って来たり、いくらでも(うまいものが)食える果樹園が出現しないのだろ。」

「おい、(面白い)男がいるぞ、教えてやろうか。聞いて見ろ、お前たちみんなぼろぼろに朽果ててしまった後で、また新しく創りなおされるなんて言っているぞ」

●信仰してたらいいことあるよ系

ま、辛抱せよ。アッラーのお約束は必ず実現する。

「ああ有難や有難や。アッラーはわしらとの約束を果して下さった。わしらに大地を継がせ、この楽園の中どこなりと好きなところに住めるよう取りはからって下さった」

●異教徒め叩きのめしてやる/今に見ておれ系

来世を犠牲にして、その金で現世の生活を買い込むようなやから、そのような者どもには刑罰の軽減は一切ない。また(最後の審判の日に)誰の助けも受けられはせぬ。

必ず我らが地獄の劫火で火あぶりの刑に処す。

決して「三」などと言うてはならぬぞ。

「神はすなわちマルヤムの子メシアである」などと言う者どもはまぎれもない邪宗の徒。

まあ暫くの間だけげらげら笑って、あとで沢山泣くがいい。それこそ自分で稼いだものの報いじゃ。

よし、あの時のことを嘘だと言う者には炎々たる焔を用意してやる。遥か遠くにそれが見えて来ると、はや沸々というその音、その咆哮が手にとるように聞こえだす。鎖につなぎ合わされてその窄い場所に投げ込まれれば、いっそひと思いに殺してくれと大声あげる。

●慈悲・慈愛系

とにかく汝ら大切なものを人に恵んでやれば、結局は自分の身のためになる。

できるだけ仲よく添いとげることが第一。

両親にはやさしくしてやれよ。それから近い親戚や孤児や貧民にも、また縁つづきのものや血縁の遠い被保護者、(僅かな期間でも)一緒に暮した友、道の子(旅人)、自分の右手の所有にかかるもの(奴隷)にも。威張りかえった高慢な人はアッラーは好み給わぬぞ。

アッラーはこうして人間のためいろいろな譬えを引き給う。アッラーはすべてに通暁し給う。

こうして汝のことばでわかりやすくしておいたから、はっと気のつく者も出るであろう。

●ワンポイントアドバイス

やはり男の方が女よりも一段高いことは高いけれど。

これ、信徒の者、お互い同士、一定の期限つきで貸借関係を結ぶ場合には、それを書面にしておくのだぞ。

もし汝らが(戦場で)死んだり殺されたりした場合、必ずアッラーのお傍に呼び集めて戴けるのだぞ。

誰かに丁寧に挨拶されたら、それよりもっと丁寧に挨拶し返すか、さもなくば、せめて同じ程の挨拶を返せ。アッラーは一切を正確に勘定し給う。

互いに仲良く助け合って、義しいことを行い、信仰を深めて行くようにせよ。

これ、よく聞け信徒のものよ、人は誰でもやたらに他人を嘲笑ってはならぬ。

これ、お前たち信徒のものよ、やたらにああだろうこうだろうと勝手な憶測するものではない。

これ、よく聞け、現世の生活は束の間の遊びごと、戯ごと、徒なる飾り。