Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

国家の罠

国家の罠」に絡め取られたインテリジェンスの512日間。
国益に叶うと信じて行動したサトウとスズキ。
進展したかに見えた北方領土問題に、緊張高まる外務省に、眞紀子というトリックスターが、国策捜査が襲いかかる!

ムネオとの信頼関係、西村検事との奇妙な友情。 
省内の権力闘争。心理戦。
処世訓、インテリジェント・タクティクス、記憶法、サウナ外交。
厚めだが意外と面白い。解説もステキ。
でも書いたのは当の本人だから、割り引いて聞いてね。

当初、鈴木・東郷・佐藤と小寺の間に路線上の対立はなかった。あるのは人間関係のちょっとしたボタンの掛け違いだった生じた軋轢で、どんな組織にもある話だった。
それが「トリックスター」の登場によって変化した。このままではこれまで積み上げられてきた対露政策が崩壊してしまう。

これまでの鈴木宗男氏との距離関係、外務省内部の人脈が複雑に絡み合い、混乱状態に陥った外務省内では誰が敵で誰が味方か全くわからなくなっていた。

「これは国策捜査はなんだから。あなたが捕まった理由は簡単。あなたと鈴木宗男をつなげる事件をつくるため。国策捜査は『時代のけじめ』をつけるために必要なんです。
時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」

鈴木宗男は、「公平配分モデル」から「傾斜配分モデル」へ、「国際協調的愛国主義」から「排外主義的ナショナリズム」へという現在日本で進行している国家路線転換を促進するための格好の標的になった。
鈴木氏をターゲットとしたことによって、二つの政策転換が容易になったと言っても過言ではない。