評価:B
【評】
日記風の覗き遍歴。経験に基づいているか知らないけど、時効だから大丈夫だよね。
変態の青春。それはトイレ覗きの青春。
トイレ覗きという背徳のなかに、ひとすじの甘酸っぱさ・苦さを感じたとき、
青春の一齣が終わった。
成功した覗きとは、いわば「被害者なき犯罪」なのだ。
この「悪」は現実にはいっさいの形を持たず、ただ観念として僕の大脳皮質にだけ宿る。
この完全に孤独で観念的な清潔感こそが、覗きの至福だった。
不潔な排泄行為の局部拡大を僕が冷やかに観察する時、女性は一匹の生物的存在にまで貶められる。
しかしそんな神の視点を持った男は、同時にゴキブリのように息を殺し地面に這いつくばっている男でもあるのだ。その見上げる視線はどう見ても、神に見まごう人間様を崇める虫ケラのものだ。
つまりここにあるのは、女性に対する100%の蔑視と、100%の憧憬だけなのだ。