2015-04-28 自動車の社会的費用 本 A 社会・経済・政治・経営 自動車の社会的費用 (岩波新書 青版 B-47) [新書]著者:宇沢弘文評価:B+【評】心ある経済学者が、日本であまりにも軽視されてきた「社会的費用」の概念を導入。簡明でわかりやすい。今でも交通状況にはあまり改善が見られないが…。新古典派のフレームワークのなかでは、一般に社会的費用を発生するような経済現象を斉合的に分析することは、その理論的前提からの制約によって既に不可能であるといってもよい。横断歩道橋ほど日本の社会の貧困、俗悪さ、非人間性を象徴したものはないであろう。自動車を効率的に通越させるということを目的として街路の設計がおこなわれ、歩行者が自由に安全に歩くことができるということはまったく無視されている。