親鸞聖人のお言葉集。そして異を歎く抄。
善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや。自力のこころをひるがへして、他力をたのみたてまつれば、真実報土の往生をとぐるなり。
すこしもみづからのはからひまじらはらざるがゆへに、本願に相応して実報土に往生するなり。
よきともあしきことも、業報にさしまかせて、ひとへに本願をたのみまいらすればこそ、
他力にてはさふらへ。
摂取不捨の願いをたのみたてまつらば、いかなる不思議ありて罪業をおかし、念仏まうさずしてをはるとも、すみやかに往生をとぐべし。
弥陀の五劫思惟の願いをよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり
煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、よろづのこと、みなもてそらごと、たわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします