Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ルバイヤート

著者:オマル・ハイヤーム 訳:小川亮作
評価:A

【評】
世の無常・無情をかこつ千年前の万能の人。
彼らにはめずらしく神や世界をdisっていくスタイル。
無常をかこちながらも酒と美少年など、現世はしっかり楽しむ複雑な心理。
 
解説からは訳者の苦心のあとが。
ペルシアの歴史、文化も概説するぞい。

17
思いどおりになったなら 来はしなかった
思いどおりになるものなら 誰が行くものか
この荒屋に来ず 行かず 住まずだったら 
ああ それこそどんなによかっただろうか 

24
地を固め天のめぐりをはじめたお前は
なんという痛恨を哀れな胸にあたえたのか
紅玉の唇や蘭麝の黒髪をどれだけ
地の底の土の小筥に入れたのか

43
知は酒盃をほめたたえてやまず
愛は百度もその額に口づける
だのに無情の陶器師は自らの手で焼いた
妙なる器を再び地上に投げつける

45
時はお前のため花の装いをこらしているのに
道学者の言うことなどに耳を傾けるものでない
この野辺を 人はかぎりなく通って行く 
摘むべき花は早く摘むがよい 身を摘まれぬうちに 

97
酒姫よ 寄る年の憂いの波にさらわれてしまった
俺の酔いは程度を越してしまった
だがつもる齢の盃に なお君の酒をよろこぶのは
頭に霜をいただいても 心に春の風が吹くから 

113
あわれ 人の世の旅隊は過ぎて行くよ
この一瞬をわがものとしてたのしもうよ
あしたのことなんか 何を心配するのか 酒姫よ
さあ 早く酒盃を持て 今宵も過ぎて行くよ