Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

ツァラトゥストラはこう言った

著者:ニーチェ 訳:氷上英廣
評価:B

【粗評】
題名だけ有名なニーチェの著書。
神がよく死ぬ。たびたび嘔吐する。既成の概念や常識が打ち砕かれる。
「超人」と「永遠回帰」がテーマらしい。

冒頭には「だれでも読めるが、だれにも読めない書物」との挑戦的な文言が。
題名は文語の「~かく語りき」の方がカッコいいと思う。
「神を無みする者ツァラトゥストラ」「このツァラトゥストラ、生の代弁者、苦悩の代弁者、円環の代弁者」

ゾロアスター教祖の名を借りたツァラトゥストラを主人公に据え、
説話集チックな形に物語を構築。主人公にニーチェの思想を代弁させる。
各話の終わりに「ツァラトゥストラはこう言った(たまに歌う)」の一文が挿入される。

本書、全体的にアブないにおいが漂っている。
そこに罹れている言葉にこめられた思想をなんとか掬い上げようとしたのだが、
1割も解らないので解説を読む。

生の苦悩は厭わしいものだ。嘔吐をもよおすものだ。しかしそれを逃げない。ごまかさない。むしろその「苦痛のまっ黒な潮のなかへ」深く降りていく。黒く厭わしいものを、むしろ強め、大きくする。そしてそれを肯定する。こうした姿勢の煮つめた方式が永遠回帰であり、この深淵の思想に耐えられるならば、ひとは生の病患から癒されるのである。

永遠回帰の真理を肯定することが、超人にいたる内的条件なのである。

な、なるほどね~(・ε・;)