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Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

日本の思想

著者:丸山真男
評価:A

【粗評】
1961年刊。まさおの50年超ロングセラー。
『日本の思想』ほか三篇を収める。

欧米文化・思想・技術の吸収、「國體」の創出など、開国後の日本は性急な近代化を推し進めた。
その近代化を可能にし、近代化の終焉とともにあらわになった日本人の特質を把握する試み。
己を知ることが精神の成熟をもたらすことを信じて。

本書の古びた感じがないのは、何も変わっていないということか。
よほど根深い特質なのか、われわれの努力が足りないのか。

日本史を通じて思想の全体構造としての発展をとらえようとすると、誰でも容易に手がつかない所以は、研究の立ち遅れとか、研究方法の問題をこえて、対象そのものにふかく根ざした性質にあるのではなかろうか。
(中略)
つまりこれはあらゆる時代の観念や思想に否応なく相互連関性を与え、すべての思想的立場がそれとの関係で――否定を通じてでも――自己を歴史的に位置づけるような中核あるいは座標軸に当る思想的伝統はわが国には形成されなかった、ということだ。私達はこうした自分の置かれた位置をただ悲観したり美化したりしないで、まずその現実を見すえて、そこから出発するほかはなかろう。

思想が伝統として蓄積されないということと、「伝統」思想のズルズルべったりの無関連な潜入とは
実は同じことの両面にすぎない。一定の時間的順序で入ってきたいろいろな思想が、ただ精神の内面における空間的配置をかえるだけでいわば無時間的に併存する傾向をもつことによって、却ってそれらは歴史的な構造性を失ってしまう。 

あらゆる哲学・宗教・学問を―相互に矛盾するものまで―――「無限抱擁」してこれらを精神的経歴のなかに「平和共存」させる思想的「寛容」の伝統にとって唯一の異質的なものは、まさにそうした精神的雑居性の原理的否認を要請し、世界経験の論理的および価値的な整序を内面的に強制する思想であった。近代日本においてこうした意味を持って登場したのが、明治のキリスト教であり、大正末期からのマルクス主義にほかならない。

【学んだこと、生かしたいこと】
無☆限★抱☆擁

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