Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

氷川清話

著者:勝 海舟 編:江藤淳、松浦玲
評価:A

【粗評】
海舟王翁のべらんめえ談話が、項目ごとにほぼ時系列で整理されている。
岩波の『海舟座談』の23倍くらい読みやすい。編集作業の苦労が随所にちりばめられている。
翁の記憶違いが多いのは仕様。「西郷は実にえらい奴だ」「よほど大きく出来て居たのサ」西郷べた褒めなのも仕様。

幕末の荒波を乗り切り、明治の元勲として長命を全うした海舟。
いろんな話が聞けて面白いが、中でも東アジア情勢に対する彼の意見には看過できぬものがある。

おれは常に世の中に道といふものがあると思って、楽しんで居た。また一事を断行して居る途中で、おれが死んだら、たれかおれに代るものがあるかといふことも、ずいぶん心配ではあつたけれど、そんな事はいつさい構はず、おれはたゞ行ふべきことを行はうと大決心をして自分を殺すやうな事さへなければ、それでよいと確信して居たのサ。
天下の安危に関する仕事をやつた人でなくては、そんなに後世に知らるゝものではない。ちょつと芝居をやつたくらゐでは、天かに名は挙らないサ。
 人間に必要なのは平生の工夫で、精神の修養といふことが何より大切だ。
およそ天下に乾児のないものは、恐らくこの勝安房一人だらうよ。それだから、おれは、起きようが寝ようが、喋らうが、黙らうが、自由自在気随気儘だよ。
あてにもならない後世の歴史が、狂といはうが、賊といはうが、そんなことは構ふものか。要するに、処世の秘訣は誠の一字だ。

【学んだこと、生かしたいこと】
明鏡止水 × 誠の心

【その他・リンク】