評価:A
【粗評】
偉人の生涯は、時間の経過によって美化されていくのを常とする。しかし西郷は当時にあってすでに伝説であった。それは西郷という人物が、同時代人のみならずわが国の歴史において屹立した至高の存在だからである。サイ・ゴードンの生涯をキタヤスが描く。
主役の西郷隆盛および薩摩藩のみならず、幕末期における諸勢力の動向を追跡できる。
息をのむ権謀術数合戦。慶喜の名誉回復に貢献。
写真が多く、談話・詩文の引用が巧み。
適宜方言のセリフを入れてくるあたりがニクい。
人の器の大きさは一体何で測るものだろう。指導力や構想力など、さまざまな要素が挙げられようが、“赦す力”の中にこそ、西郷隆盛という人間の器の大きさを見ることができるのではないだろうか。【学んだこと、生かしたいこと】
敬天(・ε・)愛人
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