評価:B
【粗評】
哀愁漂うはつルゲーネフ。
もっとプリティでピュアピュアなお話かと思っていたらヒロイン21歳。
ジナイーダ女帝への恋慕が無残に踏みにじられた顛末を描く。
・・・・・・私は泣くまいと懸命になった。・・・・・・あの軽騎兵がねたましかったのである。
鬼になった彼女から、したたかピシャリと指をぶたれたとき、なんという法悦をわたしは感じたことだろう!
わたしは、勉強も読書もやめてしまった。郊外散歩や乗馬までも、やめてしまった。
いろんな空想が、働き始めた。わたしは、自分が彼女を敵の手中から救い出す有様や、血まみれになった自分が彼女を牢屋から奪い出す光景や、そしてとうとう彼女の足もとで死ぬ場面を、次々に心に描き出した。
この思いがけない発見は、わたしを押しつぶしてしまったのである。・・・・・・一切は終りを告げた。わたしの心の花々は、一時に残らずもぎ取られて、わたしのまわりに散り敷いていた。――投げ散らされ、踏みにじられて。【学んだこと、生かしたいこと】
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