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お艶殺し

お艶殺し (中公文庫)
お艶殺し (中公文庫) [文庫]
著者:谷崎潤一郎
評価:B

『お艶殺し』と『金色の死』を収録。

●お艶殺し

べらんめえ口調でテンポよく進行。女の仕草をよくとらえている。
普段は気の弱い新助さんが、鮮やかな手際で人を殺めていくさまに戦慄。

 悪酔いをした晩などには気が狂ったかと怪しまれる程お艶の顔は情熱に燃え、炎のように体を悶えて夜中男を眠らせなかった。二人は自分の生命が終りに近付いたかと思われるくらいの歓楽の前に、否応なしに突き付けられた。

 あまたの血だらけな罪業から出来上った夫婦の間には、やはり血だらけな刺戟がなければ互の楽しみが薄いように感ぜられた。彼は人間の顔さえ見れば、すぐにその肉体の惨たらしい屍骸になった光景を想像した。どうしてもまだ一人や二人は、彼の手にかかって非業の最後を遂げる者がありそうに考えられた。

●金色の死

「尨大な資産と、強壮な肉体と、優美な容貌と、若い年齢との完全な所有者」たる岡村君が大活躍。
実に耽美的で三島由紀夫臭さを感じたが、解説でこの作品と三島の因縁が明らかに。