Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

影法師

影法師 (講談社文庫)
影法師 (講談社文庫) [文庫]
著者:百田尚樹
評価:C

百田尚樹の著書のテーマの一貫性のなさに驚く(「の」が多くて失礼)。それが美点であるともいえるが。
文庫版は袋とじがついており、スケベ心をくすぐる仕様となっている。
主人公と幼馴染の女性を中心に据えた、藤沢周平の『蝉しぐれ』にやや似通った印象を受けるが、本作は主人公とその友の友情に重きが置かれているように思われた。
小説の全体的な完成度としては、『蝉しぐれ』に軍配が上がるか。
というのも、登場人物、なかでも彦四郎の超人ぶりがやや気になったからだ。
時代小説は現実味と創作のバランスが難しいからなあ。

武家次男坊以下は、婿入りできなければ部屋住みの厄介親父で終わるという豆知識や、著者が与力のおっさんに言わせていた、人が一日で食べる量の米がとれる面積が1反なのではないか、という推察はためになった。
さいごに、時代小説に出てくる、長さや重さの単位を大まかに確認しておこう。大まか、にだよ。時代によって違うしね。
1尺=30.3cm、1間=6尺、1丈=10尺、1町=109m、1町歩=1ha、1坪=6尺×6尺
1貫=100両=1000匁=3.75kg