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Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

物語 オーストラリアの歴史

物語オーストラリアの歴史―多文化ミドルパワーの実験 (中公新書)
【概要】
著者(監督):竹田いさみ

「人口規模や軍事力で見る限り大きな国ではないが、経済的にはきわめて豊かで教育レベルも高く、まぎれもない先進国」であるオーストラリアは、国際社会でニッチな役割を担う多文化ミドルパワー国家を志向している。

英米追従からの脱却とアイデンティティの模索、アジア・太平洋での安全保障などのトピックを織りまぜつつ、オーストラリアの近現代史(1770~2000)を概観する。

アジア人のプレゼンスの高まり、コインに刻まれた女王の横顔にみられる英国への憧憬など、そういったオーストラリアみを先日体験してきたわけだが、本書でそういった点への理解が深まった。やや古いが。

 


【詳細】
<目次>

  • 第1章 揺れる自画像とアイデンティティ
  • 第2章 理想社会の建設―白豪主義とアジア系労働者問題
  • 第3章 ヨーロッパの世界分割競争に翻弄される―英帝国の敵
  • 第4章 対外脅威と安全保障―日本問題の登場
  • 第5章 大国政治への関与と挫折―国連外交と冷戦の戦士
  • 第6章 多文化ミドルパワーの国家像―ベンチャー型中企業国家への模索


<メモ>

この本を通じて、オーストラリア社会に関する一面的で単純なイメージを乗り越え、オーストラリア人のものの考え方や価値観を探ろうと思う。現代のオーストラリア社会を特徴づけるキーワードは二つある。第一は国内社会を表現する多民族性と多文化社会であり、第二は国際社会におけるミドルパワーとしての外交論である。

 

 

日本人にとってオーストラリア社会の一般的イメージは、いったい何であろうか。有袋類のコアラやカンガルー、卵生の不思議な哺乳類カモノハシ、海洋スポーツの拠点グレートバリアリーフ、テニスコートに舞う白球、世界最大の一枚岩ェアーズロックに降り注ぐ真っ赤な夕日、流星が飛び交う夜空に輝く南十字星、真夏の太陽とブッシュ・ファイアー(山火事)、石炭や鉄鉱石の露天掘り、さらには牛肉のオージービーフなど、いずれも動植物や大自然に集約される傾向にある。

豊かさを満喫するオーストラリア人は、明るくて親切であり、とても開放的な国民性をもっている。イギリス英語やアメリカ英語とは異なり、癖のあるオーストラリア英語に戸惑う人も多いと思うが、一般的に治安は良く、日本人にとって住みやすい外国の一つであることは、まず間違いない。豊かさに裏打ちされた純朴な国民性に接するとき、オーストラリア人はなんて善良な人たちであろうか、と思うこともしばしばである。
しかし本書ではコアラやカンガルーを扱うこともなく、またスポーツ論を展開することもない。

 

オーストラリアはなぜ多民族国家となり、そして国際社会でなぜミドルパワー論を展開するようになったのであろうか、という素朴な疑問を歴史的に説き明かす作業を行いたい。

およそ150年間の歴史を振り返り、英帝国と欧州列強が主役を演じ、そしてアメリカや日本が登場してきた国際社会の流れの中に、オーストラリアの姿を見つけ出すことにしよう。とりわけ東アジア世界との邂逅を通じて国家政策の形成と変遷を追い、本書の副題にした多文化ミドルパワー国家論を説き明かしたいと思う。

オーストラリアは東アジア世界(北東アジアと東南アジア)と接触することで、ようやく自我に目覚め、さらには危機感に襲われ、そして生きる活路を見いだすなど、東アジア世界がオーストラリアに与えた影響は計り知れないものがあるからだ。オーストラリア
の運命を左右したのは東アジア世界である、といっても過言ではない。

 

 

オーストラリアとイギリスとの関係は、組織や制度から見るときわめて複雑であり、曖昧性に満ちている。この複雑性と曖昧性こそが、イギリス植民地政策の知恵にほかならない。逆に言えば、この複雑性と曖昧性を解消することが、オーストラリアの国家形成そのものであったと表現できよう。

 

  • アメリカ独立で焦った英国はオーストラリアを「発見」した。
  • キャンベラは妥協の産物(シドニーメルボルン)。
  • WWⅠあたりから英国への発言力を高める。血と汗で贖ったもの。
  • 第4版誤植:p.134 l.12 さら⇒さらに