【概要】
著者(監督):中野量太
老いの過程を淡々と、しかしユーモラスに描く。だんだんボケていく父を軸に物語は進むが、真の主人公は彼を取り巻く家族たちなのだろう。家族の不調や苦難を経て生き方を変えていく登場人物たちに、己を投影する人もいるのでは。
それにしても、ジイさんのボケ描写が非常にリアルであるある感に溢れていて良い。
【詳細】
<あらすじ>
<メモ>
- 父のボケ感がリアル。まず口がコの字(生来?)。突如デカい声出したり、デイケアで漢字関連のクイズを解いてドヤ顔したり、彷徨したり、ときに本質的なことを言ったり、万引きしたり。時空間の認知のゆがみが加速していくんだな。
- 日本のこれから(もうなってる)が見える。ポンコツになっていく人間にどう社会が向き合っていくのかが問われる。
- 爺と孫が意気投合する。長女夫婦はうまくいっていない。親夫婦は信頼を失わない。次女は一人自分探し。内憂外患。
- 2007~2013年の2年ごとのボケ度合いの経時変化。会話、食事、排泄。だんだんボケる父の描写が残酷だが、映画の空気が暗くなりすぎることはない。
- 働き方や時間の最適配分。家族の不調を通じて変わること(次女⇒長女⇒長女夫⇒孫?)が不幸の副産物かもしれない。
- 認知症=the long good-byeが題名の元ネタらしい。
- カリ「ホ」ルニア、風呂の順番にこだわる妻などの小ネタが地味な昭和感を醸し出している。