【概要】
著者(監督):鎌田浩毅
「地学」の宣伝本。1%程度しか選択者がいないらしい。
太陽の運行、生命と地球の共進化、プレートテクトニクス、超巨大噴火と大量絶滅、南海トラフへの備えなど、地学ならなんでもござれの内容となっている。豊富なデータや図が説得力を高める。
曰く、「システムとしてマクロに見る視座こそが、地学の「真骨頂」」とのこと。化学工学もよくそんなこと言ってるよね。
コラムでの著者の研究者こぼれ話では、フィールドワーク、地学リテラシーの向上、「地学ほどたくんの就職先がある分野はない」など、ちょっといい話が聞けるよ。
複雑系かつ非可逆な科学のフロンティア。やっぱりどんな学問でも、突き詰めると生物学⇒化学⇒物理学の順にズームインされていく模様。
【詳細】
<目次>
- はじめに
- 第1章 地球は丸かった──人類がそのことに気づくまで
- コラム(1)鎌田先生はなぜ地学の研究者を志したのですか?
- 第2章 地球の歴史を編む──地層と化石という「古文書」
- コラム(2)地学を研究していて最も驚いたことは?
- 第3章 過去は未来を語るか──斉一説と激変説
- コラム(3)日本の地学研究や地学教育は世界で盛んなほうですか?
- 第4章 そして革命は起こった──動いていた大陸
- コラム(4)日本の地学研究者はどのような業績をあげていますか?
- 第5章 マグマのサイエンス──地球は軟らかい
- コラム(5)最近の地学で最も目ざましい研究成果は何ですか?
- 第6章 もうひとつの革命──対流していたマントル
- コラム(6)地学研究において鎌田先生が最もこだわっているものは?
- 第7章 大量絶滅のメカニズム──地球が生物に襲いかかるとき
- コラム(7)大学で地学を学ぶにはどんな学部(学科)に進めばよいですか?
- 第8章 日本列島の地学──西日本大震災は必ず来る
- コラム(8)地学で学んだことを生かせる仕事にはどんなものがありますか?
- 第9章 巨大噴火のリスク──脅威は地震だけではない
- あとがき