【概要】
著者(監督):天野馨南子
一般の人々、いいえ、行政さえもが、「当然」「普通は」「みんなそう」「こうであるはずだ」と漠然に思っていることが、客観的な統計データから見ると全く妥当ではない、むしろその真逆だ、ということがたくさんあることが見えてきたのです。
1夫婦当たりの出生数が少ないとか、男のほうが結婚はのんびりでOKとか、いろいろな俗説や思い込みをデータを示しながら打破していく。恋愛や結婚が嗜好品となった感のある現代、つらみを抱えている人は自己の状態を相対化するために一読してみては。
【詳細】
<メモ>
日本の出生率の低下の大きな原因は「夫婦の子供の数が減ったこと」というよりも「未婚者が増えたこと」にあるのです。
・高学歴化の影響で、親や雇用者の「まだ若すぎる」感覚が高齢化して婚期が遅れる
・結婚後の生活費用を必要以上に高いと思い込む
・「他者を好きになる力」が希薄であったり、好きになっても行動に移さない
・親と、同居する子どもの共依存関係
⇒さまざまな未婚化社会の背景となるデータを集め分析するほど、未婚化については(そのすべてではないにせよ)、親による子供の人生への過干渉や価値観の伝授(または押しつけ)が大きな要因の一つとなっている様子が浮かび上がってきます。