【概要】
著者(監督):篠原健太
『SKET DANCE』でおなじみの作者。前作とはガラッと変わって舞台は宇宙。dis-asterに巻き込まれた少年少女たちがad astraする。星から遠ざかり、また戻るわけだね。
①SF要素(超光速航法、〇ローン複製、惑星移住...)
+②漂流モノ(アドベンチャー、サバイバル、反目と融和、時空の狂い『レッツ・ラグーン』...)
+③探検モノ(『ダンジョン飯』のような、そこそこリアルな不思議ダンジョンの生態系)
+④ジュヴナイル(少年少女の成長、友情、恋愛...)など、いろいろな要素が練りこまれたプロットを5巻に集約した。謎の球体や刺客の存在、出生の謎とメンバーの共通点、新たなクルーと故郷の名称、いくつもの衝撃が走る。
絶望的な状況なのだが、登場人物たちがワイガヤしているのが印象的。主人公の前向き思考やエピローグ後の展望には、作者の善への意志が感じられる。そういうところは嫌いじゃない。
舞台は違っても、著者の持ち味の登場人物のゆるい掛け合いは健在の模様。日常系ギャグ+友情物が作者の持ち味と理解していたが、前作よりシリアスパートや登場人物の言葉が洗練された感じ。前作では日常パートは良くてもシリアスの描き方に抑制が効いていなかった気がしていたので。
【詳細】
<メモ>
- 地味だが記憶に残る登場人物の個性の描き方がさすが。
- 氏より育ち、過去より未来を重視するマインド、さすが。
- 個別に話を聞く懐の深さもあれば、一人だけを罠にはめる狡猾さを併せ持つなど、脳筋なだけでないリーダー。
- 小綺麗すぎない絵が相変わらずいい感じ。
- パラレルワールドや歴史改変もあるか!?と身構えたが、さすがになかった。
- 5巻の表紙がひっかけだと思ったらそうではなかったぜ。
- 「彼方のアストラ」がW×Wミーニング。「彼方」は主人公の名前でもあるし、「アストラ」は船でも星の名前でもある。
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