【概要】
著者(監督):遠山啓
集合論、群、トポロジー等、無限を数える数学の概念を解説。正直言って難しい。とりあえず無限にはランクがある。
【詳細】
カントールが始めた破天荒な試みである集合論は「無限の数学」。
1対1対応という手段で2つの無限集合の大小を比較するのが集合論の眼目で、ときには部分が全体に等しくなるという不思議にも直面する。
集合論的には、自然数の集合も3の倍数の集合も同じ加算集合。屁理屈とも思えるが、例えの数々でゴリ押ししていく。
集合論によって断ち切られた各要素間の相互関係、すなわち社会性を回復し、集合を単なる群衆から社会へと再組織すること、これが現代数学の次の課題だった。
ということで第1章で集合論に触れた後は、群、トポロジー、位相空間へ話を広げる。
<名言シリーズ>
ちょうど天文学者が望遠鏡によって、また細菌学者が顕微鏡によって肉眼の不足を補うように、数学者は論理によって肉眼の欠陥を補うのである。
数学では簡単だからかえって難しいことがしばしば起こる。(中略)
なぜなら、このような簡単さはただの簡単さではなく、複雑なものから極度の精錬をへて得られた簡単さだからである。
著者、絵本も書いてたりする。