Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

あさきゆめみし

源氏物語 あさきゆめみし 完全版(1) (Kissコミックス)
【概要】
著者(監督):大和和紀

ご存知少女マンガの古典にして『源氏』の漫画化作品。

『源氏』の入門書にして本家超えで完成品。与謝野源氏の副読本として読み始めたらどっぷりハマった。恋愛のかけひきと人間心理の複雑性、豊饒な関係性の網と人間生活の喜びと悲哀。少女漫画的な手法で登場人物の心理を巧みに描き出す。


【詳細】

<はじめに>

『源氏』を知ってる人も知らない人も、まずはこいつを見てくれ。

 

●人物関係図 桐壺~雲隠

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ってなるよね!?

実際、『与謝野源氏』を読んだ時もこうなった。

しかも、官職や呼び名が途中で変わったり複数あったりするのでこれまたややこしい。

 

そこで人物関係を把捉するための副読本として手に取ったのが本書だったわけ。

そしたらもうあれよ、登場人物が肉体と感情を持ったリアルな存在に思えてきて、現代語訳よりもこっちにのめりこんじゃったってわけ。

 

<所感>

  • 原作の淡白になりがちな部分に肉付け、色付けを加えて、「ちょっと少女漫画の甘めの、盛り上げ過多の“源氏”」として原作を再構成した。とはいえ厳密さはそこまで失われてはいない。調度や有職故実、台詞の数々に苦心の色がうかがえる。
  • 寂聴や林真理子俵万智も文庫版のカバーに言葉を寄せる。林真理子「大和さんは漫画という手段を使って、『源氏物語』を初めて立体的に見せてくれた人である」。まさにその通り。活字では表現しきれない世界があることをあらためて教えてくれる。
  • 原作で描かれている、人間ドラマの悲喜劇、近くて遠い男女の仲、運命の皮肉などを過不足なく、いや数倍増しで掬い取っている感がある。感情の襞に分け入った感も。藤壺の、いや桐壺の面影を求めて遍歴を重ねる源氏の満たされなさとか、紫の上が死の間際に仏世界の扉を開くあたりに原作への深い理解を感じた。
  • くどいギャグ顔はなく控え目の芝居(※末摘花、近江の君除く)。少女マンガ的白目もかえって新鮮で面白かった。服装や髪型での書き分けが難しいため、登場人物がやや見分けにくいかも(作者もそこは気にしていた模様)。
  • 超どうでもいいが、文庫版、やや厚くて手が疲れる。

 

<能力評価※>

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やっぱり個人的には若紫が一番かな。

 

<好きなシーン>

・文庫版1 藤壺の宮と光る君

いつまでも…

 

いつまでも…

 

疾く
過ぎゆくな…

 

春の中の春…

 

・文庫版1 若紫とランデヴー

ああ…
小さな手

 

かぎりなく
あたたかく……


明るいもの

 

・文庫版1 もの思い

もしも
あの人が
いれば…

 

わたしも
こうして
さまよわずに
いられたかも
しれない…

 

まるで
愛に飢えてでも
いるように…

 

だれか……
わたしを
受けとめて
くれる人……

 

この胸に
開いた闇に

光を
ともして
くれる人……

 

・文庫版1 若紫エンカウント

生き生きとして
清らかで……

 

愛する人
面影を
宿した……

 

わたしの
宝物…

 

・文庫版1頭の中将

あなたは
この世の中に
生きて

 

最上の喜びと
最上の哀しみを
味わうために
生まれてこられた

 

・文庫版3 秋好中宮

わたしは まだ
あの人を
さがしている……

 

藤壺の宮であり
六条の御息所であり

 

わたしを
ひざまずかせ
あこがれさせて
やまぬものの存在を……

 

わたしは
さがさずには
いられないのだ……

 

愛すべき人が
そばに
ありながら……
まだ……

 


・文庫版5 遁世決意

わたしは……
もはやこれ以上
嘆くまい

 

わたしたちは
いつかまた
かならず逢えるの
だから……

 

同じ蓮のうてなに
生まれる……

その日には……

 

そして
さようなら……

 

わたしの愛した
すべての
すばらしい女人たちよ……

 

<参考文献>

あさきゆめみしパーフェクトブック
 人物紹介、有職故実や服装・しきたりなどの平安コラム、作者インタビュー、名所探訪など、なかなか盛りだくさん。

 

あさきゆめみしPerfect Book―大和源氏の世界を徹底解析 (別冊宝島 (880))

 

あさきゆめみし画集
 桐壺~藤壺の死まで

あさきゆめみし画集―源氏物語

 

 ・その他

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