Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

全国マン・チン分布考

全国マン・チン分布考 (インターナショナル新書)
【概要】
著者(監督):松本修

タイトルに惑わされてはならぬ。柳田の『蝸牛考』でおなじみ「方言周圏論」をメイン武器に、女陰語・男根語の歩んだ歴史に分け入っていく。一言で言うと「饅頭」(と「珍宝」)をめぐる物語。

好奇心から読み進めていくと、著者が渉猟した文献の数々と語の用例、女性たちへの赤裸々なインタビューに違う方の好奇心も刺戟される。文にどことなく優雅さとこなれた感があり読みやすい。

京から同心円上にバズワードが拡散していく過程、当該語が幼児語からオトナ語にお下がりしていく過程が興味深い。「バブみ」「つらたん」「やばたにえん」など、いつの世もカワイイ新語開発を忘れなかった人びとの営みに感銘を受ける。

おおらかな女陰語の復権の願い、根強いマラ漢訳梵語説への怒りも印象に残った。そして終章のオールスター感では不覚にもホロリ(遊び過ぎ感もあるが)。


【詳細】
『全国アホ・バカ分布考』の著者が送り込んだ刺客。

恥ずかしがらずにおおらかに女陰を呼べる日は来るのだろうか。

男の子にも読んでほしいけれど、特に、両親や周囲の愛情をいっぱい注ぎ込まれて育ってきた幸福な女の子たちに。女性、そして人間として生きる尊厳を、過去、私たちの尊き祖先がいかに大切にして生きてきたかを知るためにも、ぜひ楽しみながら読んでほしい思います。

 

方言周圏論

方言の多くは、地方で独自に生じたものではなく、京の都の、はるか昔の遺風を受け継いでいるのです。

バズワードを日々産出する女性の言語センス

幼女の陰部を可能な限りかわいらしく呼びたい、という大人たちの要望に突き動かされて、愛すべき新語が生み出されました。ところが、これがまたもや大人にも用いられるようになると、このままではいけないと、また次々と、あどけなくかわいい、上品な新語が生み出されては交代していったものと思われるのです。

言語学への憤り

まさに(マラ)梵語説こそ、日本の人文科学、とりわけ言語学が、自然科学に較べいかに遅れ、手抜きのままに停滞し続けてきたか、その実相を露呈している象徴的な姿のように、私には思えるのです。

オソソPR

自らの女性名を失った女性は、これを奪還することが求められています。

かわいさ、美しさ、いとおしさを極めつくした「オマンコ」、格調と気品に満ち、究極の表現でもあった「オソソ」は、この研究が端緒となって、再び婦女子の言葉としての栄えある復権を果たすことができるのでしょうか。

 

俵万智の祝電がふるっている。

両の手で 頬を包める 優しさに 「お」と「こ」はそっと 「まん」を守れり

 

伊吹先生の名言

こういう言葉を面白がって、軽々しく口に出す人間は、男の値打ちというもんが下がるのや。男というものは、どんなときにも、値打ちのある男でないと、あかんのや。