Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

腕一本・巴里の横顔

腕一本・巴里の横顔 (講談社文芸文庫)

【概要】
著者(監督):藤田嗣治

Foujitaの自伝的エッセイ。巴里楽しみすぎ、パパ甘すぎ。

黒田清輝森鷗外ピカソモディリアーニルノアールなどの同時代人が平気で出てくるのがすごい。

「喜々として私の画を懐に抱いて帰って行く少年は、今も私の美しい記憶の一つとして残っている」など、パリ時代のちょっとした日常の描写が沁みる。

猫と女もやっぱり好きみたい。

・「猫に猛獣の面影のある所がよいのである」

・「一言にして女を評すれば神秘、不可思議、ミステールな者である」


【詳細】
<巴里退出記>

電気のスウィッチのもとを切り、水道と熱湯の栓を閉じた。八階まで通じている左右のエレベーターは既に門番が電流を切っていて通ぜず、中央の梯子を廻り、肩にかけた毒瓦斯マスクの缶と、避難所用のたたみ椅子とをぶつけながらかけ下りた。

 <画の離行>

全て一切のものを念頭より忘れ、流れ出づる最初の清き線がもっとも真実のものであると信じている、減じるとか訂正するということは、すでに何日か示された教育の線が加わっていると考えている、理屈が這入ってはサンシビリーチーもなく、それ程清いわけのものでもない。

 

<参考>

javalousty.hatenablog.com