【概要】
著者(監督):谷口忠大
じわじわ勢力を拡大している「ビブリオバトル」の紹介本。考案者が書いているところがミソ。ビブリオバトルの基本的なルール、効能、歴史(まだ10年も経っていないが)などを解説する。ラノベ風のプロローグ/エピローグ、明らかに舞台が京大理系研究室で懐かしさを覚える。
この前体験してきたので、隙あらばビブリオバトルを立ち上げてみたいところ。ルールは下記参照。
【詳細】
<公式ルール詳細>(上記サイトより引用)
1)発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
a)他人が推薦したものでもかまわないが,必ず発表者自身が選ぶこと.
b)それぞれの開催でテーマを設定することは問題ない.
2)順番に一人5分間で本を紹介する.
a)5分が過ぎた時点でタイムアップとし発表を終了する.
b)原則レジュメやプレゼン資料の配布等はせず,できるだけライブ感をもって発表する.
c)発表者は必ず5分間を使い切る.
3)それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う.
a)発表内容の揚げ足をとったり,批判をするようなことはせず,発表内容でわからなかった点の追加説明や,「どの本を一番読みたくなったか?」の判断を後でするための材料をきく.
b)全参加者がその場が楽しい場となるように配慮する.
質問応答が途中の場合などに関しては,ディスカッションの時間を多少延長しても構わないが,当初の制限時間を大幅に超えないように運営すること.
4)全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い,最多票を集めたものを『チャンプ本』とする.
a)自分の紹介した本には投票せず,紹介者も他の発表者の本に投票する.
b)チャンプ本は参加者全員の投票で民主的に決定され,教員や司会者,審査員といった少数権力者により決定されてはならない.
<ビブリオバトルの機能>
1)参加者で本の内容を共有できる(書籍情報共有機能)
2)スピーチの訓練になる(スピーチ能力向上機能)
3)いい本が見つかる(良書探索機能)
4)お互いの理解が深まる(コミュニティ開発機能)
<引用>
「人を通して本を知る。本を通して人を知る」
勝利のコツは「そこに集まってくる人の興味に思いを馳せながら、それでも自分が心から好きで、本当に読んでほしいと思える本を持っていって、誠実に紹介することです」
「知識は人に紐付いている」
「紹介された本は、参加者が読みたければ読めばいいのだ」
<その他>
ノベル形式の導入が意外と面白い。理系院生あるあるを味わえるのでは。エピローグに若干ホロリ。
研究室の輪読会をカイゼンしたらビブリオバトルに変わっていったとのこと。「文系」感が強いが実は「理系」向けに設計された知的遊戯であることがわかる(文理分けるのはあまり好きではないが)。