Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

銀嶺の人

銀嶺の人 (上巻) (新潮文庫)

【概要】
著者(監督):新田次郎

(上)マッターホルン北壁登攀に挑む好対照なふたりの女性を描く。医者と気鋭の鎌倉彫職人という手に職つけた感が当時としては珍しかったのでは。美女コンビが峻険な氷壁を登攀しているというのはなかなかいいものである。

(下)袂を分かち各々の職務に打ち込む二人だが、やはり山の引力からは逃れられない。山と仕事で共進化していき、山の結んだ縁で各々結婚するところまではよかったのだが、美佐子さんが銀嶺の露と消えてしまったのはとても悲しい。Bad Endはせつない。


【詳細】

凸凹だからこそカッチリ嵌るコンビ。

淑子は泣かない子であり、美佐子は涙もろい子であった。

(しかし、その正反対な二人の性格がなぜ岩壁ではぴたりと一致するのだろうか)

 

もし美佐子とザイルを組むならば、マッターホルン北壁登攀も不可能ではないように思われた。そして、美佐子以外にザイルを組むべき女性は今のところ見つからなかった。

 

 

淑子さんの言葉がラストの伏線になっていると思うと悲しい。

私は岩壁登攀ほど純粋なものはないと思っています。パーティを組んでいても、結論的には自分一人だけなんです。自分が登れなくなったら、相手も登れないし、自分が失敗すれば、相手をその渦中に引込むんです。相手をたよったり、たよられたりするようなことは絶対にあってはならないわ。

 

ポッと出の船乗りとのお見合いシーン、時間をかけて雪をコッヘルで沸かすシーンが印象的。結果的にサークルクラッシュしてしまったのは世の摂理か。やっぱり男女の間に友情は成立しないのか?

 

<イメージ映像>

www.youtube.com

 

<元ネタの人>

今井通子 - Wikipedia