著者(監督):大九明子
【概要】
ただの「暴走ラブコメディ」ではない。
果てない妄想をして、相手に期待しすぎて、他人の感情や行動を素直に受け取れない。勝手にふるえて、勝手に傷ついて、歪んで、こじらせて…「勝手にふるえて」るのは彼女だけじゃない。人ごとじゃない。
現代人がこじらせがちな「勝手にふるえてろ」症候群を克服したとき、人は大人になるのかもしれない。対人関係構築が得意な人も苦手な人も観てみては。
【詳細】
<あらすぎるあらすじ>
絶滅動物やゲーム音楽が好きな「コミュ障」気味女子・ヨシカ。
基本的には人見知りだがしゃべり出すと止まらない。彼女のセリフもとい独白を場面転換しながら繋いでいく。
何度も脳内召喚していた「イチ」に突如対抗馬が出現。
経理と営業の飲み会で「ニ」に告られる。
気乗りしないがナイトクラブや川釣りには付き合ってあげる。
そんな中、ニを振り切るようにタワマンでイチと二人っきりのチャンス。
いまいち雰囲気にノレていないように見えた彼は、まさかの絶滅生物好きの同類。
おっ!と運命の螺旋が廻りはじめたかと思いきや、「名前なんだっけ?」との無情な一撃。
世界は崩落をはじめる。
♪「絶滅すべきでしょうか」スタート。
実は今までの釣り人、カフェメイド、コンビニ店員、バスで隣のおばさん、駅員との会話はエア会話であったことが判明。
現実と妄想のはざま、心の亀裂から暗黒感情が噴出。
目がすわった勢いで会社辞める宣言。引きこもる。
イチの何気ない言動も、親友のいたわりの言葉も、ニのお節介な感情も、すべてが私を苦しめる。
果てない妄想をして、相手に期待しすぎて、求めすぎて、他人の感情や行動を素直に受け取れない。勝手にふるえて、むき出しでしなだれかかって、勝手に傷ついて、歪んで、こじらせて…「勝手にふるえて」るのは彼女だけじゃない。人ごとじゃない。
現代人がこじらせがちな「勝手にふるえてろ」症候群を克服したとき、人は大人になるのかもしれない。
対人関係構築の一歩を踏み出したヨシカに幸あらんことを。
<印象>
・ヨシカが創作された人格であることを忘れ没入できる。
- 感情の緩急
- 基本的には人見知りだがしゃべり出すと止まらない
- 「視野見」能力
- 「コミュ障」
- 上ずったり止まらなくなったり、声の具合が不安定
- 飲み会苦手感
- 髪吹いてファッファッファッ
・松岡茉優、「あまちゃん」のときより存在感ある。主演だもの。
・公式サイトの文字がふるえすぎていて面白い。
『勝手にふるえてろ』の原作を読んで気づいたんだけど、小説では「(憧れの存在だけど自分に興味なんて全くない相手なんて)勝手にふるえてろ」だけど、映画では「(他人にどう思われたところで人間なんて意外と死なないから自分なんて)勝手にふるえてろ」に変わっている。どっちも面白い pic.twitter.com/lCMOiw2Z7p
— OTO (@swartoto) 2018年9月17日