Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

詩歌

サラダ記念日

【概要】著者(監督):俵万智 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 でおなじみだが、 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ などの有名な歌も多数収録。 ちゃんまち若き日の歌を収める。基本的な流れとして…

夜空はいつでも最高密度の青色だ

【概要】著者(監督):最果タヒ タヒさんの詩集。実は里庄と同窓らしい。透明で濁った死と生の交錯。一瞬だけの世界の全体的な把捉と同一化、そして別離と忘却。『グッドモーニング』あたりの鮮烈さはなかったかな。意味が取れないところもある(考えるな、…

谷川俊太郎詩集

【概要】著者(監督):谷川俊太郎 編:ねじめ正一 谷川俊太郎、こども向けなイメージがあったが幅広く手掛けている模様。融通無碍な空想と宇宙とさみしさがリンクする。「かっぱ」「いるか」「いちねんせい」なんかは〇渕教室の国語発声で読んだ記憶が。「…

西條八十詩集

【概要】著者(監督):西條八十 昭和を駆けたヤソップ。抒情的な作風。「かなりや」や歌謡曲はけっこう有名なのでは。 【詳細】<メモ> かなりや ──唄を忘れた金糸雀は、後の山に棄てましよか。──いえ、いえ、それはなりませぬ。 ──唄を忘れた金糸雀は、背…

王維詩集

【概要】著者(監督):王維 選訳:小川環樹、都留春雄、入谷仙助 李白・杜甫ときたら王維でしょ。自然派で格調高く華やかだが、寂しさもたまにのぞかせる。浮沈の激しい波瀾万丈な彼の人生がそうさせたのか。「眇(はるか)に惆悵して君を思う」系のはジ~ン…

近代秀歌

【概要】著者(監督):永田和宏 文字通り近代の秀歌を100首(以上)集めた。茂吉の『万葉秀歌』の衣鉢を継ぐ。 挑戦的な言い方をすれば、あなたが日本人なら、せめてこれくらいの歌は知っておいて欲しいというぎりぎりの100種であると思いたい。 歌を一首知…

対訳 ブレイク詩集

【概要】著者(監督):ウィリアム・ブレイク 編訳:松島正一 『トラウマイスタ』でおなじみの"On Another's Sorrow(他人の悲しみに)"、『博士の愛した数式』でおなじみの"Auguries of Innocence(無垢の予兆)"を収録。Shakespeareと現代英語の中間ぐらい…

長田弘詩集

【概要】著者(監督):長田弘 「あなたは言葉を信じていますか」「もっとも単純なことが、いまはもっともむずかしいのだ」――。平易な言葉で世界の隠された窓を開く手伝いをする。 『あのときかもしればい』『ファーブルさん』『ふろふきの食べかた』あたり…

高村光太郎詩集

作・編:高村光太郎 【概要】 前半はイマイチだが後半から光速に到達。「光」太郎だけに、まばゆい光を求めて邁進する意志を随所に感じられる。口語にこだわった光太郎の面目躍如を見よ。 【詳細】「道程」「雨にうたるるカテドラル」『千恵子抄』などの名品…

立原道造詩集

著者(監督):立原道造 編:杉浦明平 【概要】 風と花と雲と小鳥をうたった夭折詩人のセンチメンタル・ジャーニー。 仄かで繊細で優しくて、そして淋しくて。未刊や草稿が含まれるため似たようなものが多く、ちょっと飽きるかも。量が乏しくなりがちなのは…

日本語を味わう名詩入門5 立原道造

(5)立原道造 (日本語を味わう名詩入門) [単行本] 著者:立原道造 編:萩原昌好 【概要】夭折詩人のソネット(四行詩)集。やわらかな光と風、追憶と寂寥。儚く美しい夢幻世界を体験できる。ものうくみえるが希望はある。収録数が少ないので岩波文庫版もぜひ…

蕪村俳句集

蕪村俳句集 (岩波文庫) [文庫]著者(監督):与謝蕪村 校注:尾形仂【概要】芭蕉や一茶に較べると派手さはないが、生活感がある。【詳細】句集は出さぬと言っていたが、生前ひそかに選んでいた俳句の数々。ありのすさびに詠んだ句には、派手さはないが、生活…

グッドモーニング

グッドモーニング (新潮文庫nex) [文庫]著者(監督):最果タヒ【概要】【詳細】謎の言語体験を可能にする。指、海、魚、子供、世界などの言葉が、既存の枠組みを溶かし、儚く不気味な詩的空間を現出する。改行、空白、欠損などの表現はあまり好きではないが…

自選 大岡信詩集

自選 大岡信詩集 (岩波文庫) [文庫]著者(監督):大岡信【概要】繊細さと強さが同居した現代詩集。シュールにならない程度に物語性があるのが良い。【詳細】『夢の散策』遥かに みちひたひたと霧にまじはり渡しのからだはあとをひいてながれていつたよろこ…

奥の細道

奥の細道―マンガ日本の古典 (25) 中公文庫 [文庫]著者(監督):矢口高雄【概要】レジェンド俳句を柱に『おくほそ』紀行をたどる。途中の月山で終了。旅に病まない。素朴で純朴。硬派で堅実。釣りキチの人。【詳細】関連文献の解説や解釈、芭蕉の創作や脚色…

みだれ髪

みだれ髪 (新潮文庫) [文庫]著者(監督):与謝野晶子 監修:松平盟子【概要】情熱的・肉感的な三十一文字を聚めた。聖と俗、夢と現の両極を激しく行き来する心情日記とも読め、著者のあつきちしほを感じさせる。【詳細】その子二十櫛にながるる黒髪のおごり…

田辺聖子の小倉百人一首

田辺聖子の小倉百人一首〈上〉 (角川文庫) [文庫]著者:田辺聖子評価:B+【概要】歌や歌人にまつわる逸話やトリビア、笑い話、思い出すことなど、百人一首を一首ずつ解説していく。ダメな歌はダメ、良い歌は良いと容赦なく斬っていく。やっぱり「春すぎて」…

土左日記

土左日記 (岩波文庫) [文庫]著者:紀貫之 校注:鈴木知太郎評価:A【概要】人事異動に伴い土佐から京に帰るときの、六十首余りを収めた旅日記もといダジャレ帳。古いがかなり読みやすい。妻や童、媼、船頭などに仮託して群像劇チックに表出させた亡児への追…

更級日記

更級日記 (岩波文庫) [文庫]著者:菅原孝標女 校注:西下経一評価:B+【概要】平安後期の地方官の娘の旅日記、歌日記、一代記。少女時代、源氏物語濫読や猫出現のあたりはまだ明るいが、上京以降は哀愁と幻滅と孤独が敷き詰められており鬱々としている。現実…

ランボオ詩集

ランボオ詩集 (岩波文庫) [文庫]著者:A・ランボオ 訳:中原中也評価:B【概要】近代詩人同士のコラボ。幻想と糜爛の香り横溢せる仏蘭西の光景が眼前に広がる。でも、これといってグッとくるものはなかったし、イマイチ入りこめない感じが捨てきれなかった。…

北村透谷選集

北村透谷選集 (岩波文庫 緑 16-1) [文庫]著者:北村透谷 校訂:勝本清一郎評価:B【概要】彼の遺した詩や評論を辿りながら、理想と現実のあいだを激しく行き来した25年の生涯に思いを馳せる。収監経験や世の事々を論じていく姿勢はなかなか興味深いが、若さ…

ブッダの真理のことば・感興のことば

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫) [文庫] 訳者:中村元【評】「仏教の実践を教えた、恐らく最も著名でまた影響力ある詩集である」とのこと。漢訳版では『法句経』ともいう。釈尊のストイックかつ比喩を駆使した寸言が魂に触れる。 たとえため…

原爆詩集

原爆詩集 (岩波文庫) [文庫]著者:峠三吉評価:B+【評】「ちちをかえせ/ははをかえせ」の伝説の「序」でおなじみ。この詩集は、「人間としてふとしたとき自他への思いやりとしてさしのべられざるを得ぬ優しい手の中へのせい一ぱいの贈り物である。どうかこ…

万葉秀歌

万葉秀歌〈上巻〉 (岩波新書) [新書]著者・選:斎藤茂吉評価:A【評】モキチがチョイスした三十一文字の言の葉が舞う。吾こそは大和の民なるぞという者は必読。音やことば、助詞の選択などの作歌技法の分析もまじえつつ、名品を合計1000首程度紹介していく。…

倚りかからず

倚りかからず (ちくま文庫) [文庫]著者:茨木のり子評価:B【評】岩波の『茨木のり子詩集』にないものとしては、「鶴」「苦しみの日々 哀しみの日々」「球を蹴る人」などがある。「茨木さんの詩には、ご自身で書いたことを自ら茶化す表現がよくある。最後に…

新唐詩選

新唐詩選 (岩波新書) [新書] 著者:吉川幸次郎 三好達治評価:A【評】ヨッシーとタッツーが唐詩を精選した。杜甫、李白、王維が大半を占める。英訳や思い出、感興を交えた解説は、収録された珠玉の漢詩たちをさらに輝かしいものにするであろう。 詩を読むこ…

詩を読む人のために

詩を読む人のために (岩波文庫) [文庫]著者:三好達治評価:B+【評】達治がいろんな近代詩を紹介する。「私が以前から幾年かの間に、その折々詩を読んで覚えた感動(あるいは感興)を、あらまし、とり急ぎ列挙したということになるでありましょう」。詩を読…

茨木のり子詩集

茨木のり子詩集 (岩波文庫) [文庫] 選:谷川俊太郎評価:B+【評】『わたしが一番きれいだったとき』『自分の感受性くらい』でおなじみ、のり子。のり子曰く、「自分なりの納得のゆく時間の流れを別に作り出してゆきたい」。大岡信曰く、「イデオロギーを主張…

西脇順三郎詩集

西脇順三郎詩集 (岩波文庫 緑130-1) [文庫] 編:那珂太郎評価:A【評】天衣無縫、予測不能、回避不可能。博学にしてシュール一歩手前の現代詩。われわれは試されている。コトバのまさかの組み合わせや結びつきに驚嘆せよ。<あむばるわりあ 詩情(あとがき)…

厄除け詩集

厄除け詩集 (講談社文芸文庫) [文庫]著者:井伏鱒二評価:B+【評】鱒二は詩人でもあった。『なだれ』峯の雪が裂け雪がなだれるそのなだれに熊が乗つてゐる (←!?)あぐらをかき安閑と莨をすふやうな恰好でそこに一ぴき熊がゐる (←!)鱒二オリジナルの中…