Javaさんのお部屋(サム・ジーヴァ帝国図書館)

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

歴史・戦争

ノモンハンの夏

【概要】著者(監督):半藤一利 追悼・歴史探偵。『失敗の本質』でおなじみノモンハン事件。 軽侮と慢心、情報軽視と不勉強、杜撰な計画、独善的で硬直的な戦略・意思決定、戦力の逐次投入、曖昧で優柔不断な指示・命令、信賞必罰の不徹底、統帥の放棄…。ア…

戦国日本と大航海時代

【概要】著者(監督):平川新 戦国日本と大航海時代が交わった世界のダイナミクス。極東の島国は1600年前後の時点で、西欧列強に匹敵する軍事大国だった。その軍事力と組織力が「帝国」や「皇帝」という言葉で表現されるくらいに。文献を読み解いていく中で…

承久の乱 日本史のターニングポイント

【概要】著者(監督):本郷和人 源頼朝や北条氏とその仲間たちの血で血を洗う闘争、後鳥羽院との対決を解説する。後鳥羽上皇、久々に手腕ある朝廷のプレイヤーだったけど、時代は復古的なやり方を支持しなかったみたい。 ですます調と軽めのノリ(「諦めム…

敵兵を救助せよ!/駆逐艦「雷」工藤艦長と海の武士道

【概要】著者(監督):惠隆之介 元江田島の著者が駆逐艦「雷」艦長・工藤俊作中佐を顕彰すべく筆を執った。 「〇これ」でおなじみ、スラバヤ沖海戦での英国海軍将兵救出劇をクライマックスに据えた工藤の評伝。旧海軍に余裕がある時期だったからできたこと…

「砂漠の狐」ロンメル/ヒトラーの将軍の栄光と悲惨

【概要】著者(監督):大木毅 ドイツ第三帝国の「名将」ロンメルの神話を検討する。呉座勇一を見習ってロンメル観を更新したかった模様。 WWⅠでの山岳戦、WWⅡ西部戦線の緒戦・北アフリカ戦線での戦績を振り返り、彼が師団長クラスでは優秀だが、軍団長・軍…

徳川家康/われ一人腹を切て、万民を助くべし

【概要】著者(監督):笠谷和比古 日光東照宮に行った影響で。そして家康のこと昔からわりと好きだったので。 東照神君・家康の本格的評伝。膨大な参考文献が硬そうな印象を与えるが、意外と読みやすい。家康の生涯をたどりつつ戦国時代も概観できる(近代…

興亡の世界史 モンゴル帝国と長いその後

【概要】著者(監督):杉山正明 13~14世紀のモンゴルがユーラシア大陸を席巻したのは、多数の人々を統合・統御・統治するシステムあってこそだった。モンゴル帝国の成立とその画期性、そして軍事・政治・経済・思想など多岐にわたる帝国システムの遺産を説…

古代史講義

【概要】著者(監督):佐藤信ほか 邪馬台国から平安時代まで日本の古代史の大きな流れを概観しつつ、主な論点を整理する。上古の昔の東アジア情勢の緊迫感、皇族と貴族・豪族グループの権力闘争と政権安定化、新都造営のダイナミクス、官僚制の浸透と税制の…

日本史の論点

【概要】著者(監督):いろいろ(五名共著) 五名の歴史学者が日本史の主な論点を整理する。日本史が概観できお得感がある。 「邪馬台国はどこにあったのか」「元寇勝利の理由は神風なのか」といった定番の話題はもとより、「中世はいつ始まったか」「いつ…

日本軍兵士

【概要】著者(監督):吉田裕 「実にさまざまな形での無残な死の集積だった」旧日本軍将兵の死を様々な角度から記述する。 虫歯や自傷行為、略奪、ヒロポン使用量の多さ、体格や栄養状態の悪化など、わかってはいたものの目も当てられない惨状。やっぱり近…

アド・アストラ

【概要】著者(監督):カガノミハチ 副題の通りスキピオとハンニバルが地中海世界を舞台に駆け回る(第二次ポエニ戦争)。どっちかというとイタリア半島を舞台に十幾年の闘争を繰り広げたハンニバルが主人公。イタリア半島はもとより北方のガリアや西方のイ…

大英帝国という経験

【概要】著者(監督):井野瀬久美恵 連合王国の約300年(1650~1950ぐらい)。アメリカ独立の衝撃と帝国システム改変にはじまり、移民、奴隷、モノ、表象としての女王などのテーマから大英帝国の実像に迫らんとする。随所に某国のあくどさ・狡猾さ・粘り強さ…

オスマン帝国500年の平和

著者(監督):林佳世子 【概要】 多民族帝国オスマン帝国の興亡もとい攻防もとい光芒を辿る。読みやすく面白い。ハプスブルグ家、ヴェネチア、イランやエジプト王朝など周りが敵だらけの中、アナトリアとバルカン半島を中心に王朝を存続させ続けたしぶとさ…

昭和16年夏の敗戦

著者(監督):猪瀬直樹 【概要】 急ごしらえの「総力戦研究所」で「模擬内閣」が導いたシミュレーション結果と、実際の歴史を重ね合わせながら、旧憲法の欠陥や主観に頼った意志決定を浮き彫りにする。総力戦シミュレーションが本当に行われていたことや、…

不死身の特攻兵

著者(監督):鴻上尚史 【概要】 「不死身の特攻兵」佐々木伍長の戦歴と存命時のインタビュー、そして特攻作戦の総括と日本人の精神構造。現代に依然残る命令者の欺瞞には暗澹とした思いになるが、日本的組織が陥りがちな精神構造をあらかじめ知っておくこ…

歴史の勉強法

著者(監督):山本博文 【概要】 史学科のカリキュラム、官位、お金の相場など、歴史学習のアレコレを教えてくれる。序盤の日本史素人dis(橋爪)は痛烈である。 【詳細】 内容が結構雑多。 「人件費はかなり安く、米は比較的高く、衣料はかなり高いといっ…

戦争まで

著者(監督):加藤陽子 【概要】 「一次資料を使って」「偏見やステレオタイプを排して」「冷静かつ公正に」「当時の人びとになりきって」国際政治のリアリズムを体感しようとする試み。国際連盟脱退・日独伊三国同盟締結・日米交渉の3つの時点に関し、生…

ダンケルク

DUNKIRK [CD]著者(監督):クリストファー・ノーラン【概要】空と海、軍と民とがタッグを組んで、ダンケルクからの撤退を支援する。空戦シーンと水没シーンがウリ。【詳細】<あらすじ>いきなりの銃声にビックリ。とりあえず走って砂浜へ。そこには船を待…

戦場にかける橋

戦場にかける橋 HDデジタルリマスター版 [Blu-ray] [Blu-ray]監督:デヴィッド・リーン【概要】【詳細】<あらすじ>ガリガリ英人捕虜の見守る中、くちぶえ吹いて行進。ドイツ語みたいな英語をしゃべる収容所長は言う。バンコク~ラングーンを繋ぐ鉄道敷設の…

カティンの森

カティンの森 (字幕版) [Amazonビデオ]監督:アンジェイ・ワイダ【概要】東西を強国にサンドイッチされたポーランドの受難と許されざる戦争犯罪を描く。真実の在処を問いかける。【詳細】<あらすじ>虜囚パパ一家の話かと思いきや実は群像劇。大将の「生き…

ハクソー・リッジ

Hacksaw Ridge [Blu-ray] [Blu-ray]監督:メル・ギブソン【概要】凄惨すぎる戦闘シーンを見たい人に。【詳細】<あらすじ>[前半]さっそくレンガでぶん殴って兄死にかける。少し時間が経ってある男が自動車事故で血ドピュドピュ。これくらいでビビってるよう…

シュトヘル

シュトヘル 14 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) [コミック] 著者:伊藤悠【概要】 あしたわたしが死んでも。消えないのか…? わたしの仲間の名前は…この文字が、 憶えていてくれるのか。 ……ユルール。 ――それが… …それが、文字なのか。 西夏(文字)という渋す…

第二集 きけ わだつみのこえ

第二集 きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (岩波文庫) [文庫] 【概要】 編:日本戦没学生記念会当時のエリートたちが理不尽で醜悪な現実に対し、いかに自己と向き合い、いかに自己を位置づけようとしたかの精神的苦闘の記憶。明朗と悲壮、韜晦と諦観が…

世界史を変えた薬

世界史を変えた薬 (講談社現代新書) [新書]著者:佐藤健太郎評価:B【概要】細菌やウイルスと人類の絶えざる争いを描く。マラリアや梅毒、エイズなどの感染症が歴史上の人物・事件に与えたダイナミックな影響を窺い知れる。この著者の本は非常に読みやすい。…

マクニール世界史講義

マクニール世界史講義 (ちくま学芸文庫) [文庫]著者:W.H.マクニール 訳:北川知子評価:B【概要】「ミクロ寄生」「マクロ寄生」や「世界システム」などの概念を軸に世界史を読みとくツールを提供する。講義録ゆえかややまとまっていない印象を受ける。【詳…

応仁の乱

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) [新書]著者:呉座勇一評価:B+【概要】興福寺僧侶の遺した日記をもとに、複雑怪奇な大乱を読み解く。新興勢力の台頭と挑戦、時代の奔流に押し流されまいと奮闘する持てる者たち。なんだかんだで難しいが、いつの…

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 [単行本] 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ 訳:柴田裕之評価:A【概要】「虚構」を駆動力に驀進してきた人類史7万年の旅路を辿る。古今東西の統計データや歴史的事件・事象、さらに近年の科学的知見をまとめあげ物語…

アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー [Blu-ray] [Blu-ray]監督:クリント・イーストウッド評価:B+【概要】イラク戦争英雄の苦悩と決断。【詳細】9.11を受け、SEALSの一員・カイル先輩(実在)が戦闘続くファルージャあたりで100人以上狙撃スナイプする。兵士もその家族…

ラストエンペラー

ラストエンペラー ディレクターズ・カット [DVD] [DVD]監督:ベルナルド・ベルトルッチ評価:B+【概要】3歳で皇帝になる。【詳細】ラストエンペラー(宣統帝・愛新覚羅溥儀)の即位から死までを描く大河ドラマ。三度囚われの身となった彼が過去を振り返る形…

仕事に効く 教養としての「世界史」II

仕事に効く 教養としての「世界史」II 戦争と宗教と、そして21世紀はどこへ向かうのか? [Kindle版]著者:出口治明評価:B+【概要】中国やイスラムの歴代帝国はもちろん、インド、ラテンアメリカ、アフリカとやや扱いづらい地域までカバー。個人的にはプロイ…