Javaさんのお部屋・改

Javaさんのお部屋です。引っ越しました。詳しくは「はじめに」を読んでね。スマホ版は全体像が見えにくいから、PC版と切り替えながら見てね。

小説・戯曲・ノンフィクション

69 sixty nine

【概要】著者(監督):村上龍 半自伝的小説。佐世保の進学校の高校生たち、不純な動機と若気の余剰を拠り所として、バリケード封鎖、フェスティバル、儚い恋に突っ込んでいく。 主人公と著者にはどれくらいの相似性があるのか。わかったように文学・哲学・…

終末のフール

【概要】著者(監督):伊坂幸太郎 隣の人が貸してくれた。 8年後に世界の終末が訪れると知ったとき、人はどのように生きるのか。コメディともSFとも言えるような設定でいろんな人々を動かすオムニバス。各話の登場人物が相互リンクしているので、読み進め…

銀嶺の人

【概要】著者(監督):新田次郎 (上)マッターホルン北壁登攀に挑む好対照なふたりの女性を描く。医者と気鋭の鎌倉彫職人という手に職つけた感が当時としては珍しかったのでは。美女コンビが峻険な氷壁を登攀しているというのはなかなかいいものである。 …

侏儒の言葉・西方の人

著者(監督):芥川龍之介 【概要】 「人生は落丁の多い書物に似ている。一部を成すとは称し難い。しかし兎に角一部を成している」など、皮肉な寸言で世界や人間心理の要諦を切り出さんとする。博識かつ鋭敏ではあるが、表層を掬っただけでその深奥には達し…

半生の記

著者(監督):松本清張 【概要】 小説で身を立てるまでの半生記。貧しく地味で展望もない。「絶えずいらいらしながら、それでいて、この泥砂の中に好んで窒息したい絶望的な爽快さ、そんな身を虐むような気持が、絶えず私にあった」。慣れない商売や苦労が…

釈迦

著者(監督):武者小路実篤 【概要】 実篤の釈迦伝で戦前のベストセラー。岩波文庫の『スッタニパータ』や『大パニニッパーナ経』などの釈尊伝よりも平易で一般向け。釈迦、ほぼ悟っているがまだ人間味を少し残している。 【詳細】実篤曰く、「僕はむずかし…

わたしを離さないで

著者(監督):カズオ・イシグロ 訳:土屋政雄 【概要】 「介護人」「提供者」「展示会」など謎めいた語句を何気なく零しながら、凄惨な作品世界の繊細な感情を掬い上げていく。第三部まで盛り上がりに欠けるが、それは淡く抑制された筆致ゆえか。 【詳細】 …

カラマーゾフの兄弟

著者(監督):ドストエフスキー 訳:原卓也 【概要】 (上)キャラ紹介〜大審問官 3年の時を超え原マーゾフで再読中。ロシア的、カラマーゾフ的な人々が情動のままに動き、暴れ、喋る。尖ったキャラ造形や長尺セリフには作家性が、ゾシマの教えや大審問官な…

冷い夏、熱い夏

冷い夏、熱い夏 (新潮文庫) [文庫] 著者(監督):吉村昭【概要】実弟の闘病を、ときに冷たくときに熱い筆致で記述する。ガンであることを隠されたまま衰弱する弟を見ていると、『病院で死ぬということ』を思い出さずにはいられなかった。ただ、この著者の作…

山椒魚

山椒魚 (新潮文庫) [文庫]著者(監督):井伏鱒二【概要】「山椒魚は悲しんだ」でおなじみの表題作を含む小品12篇を収める(5篇のみ読了)。基本的に地味。乾いた諧謔が随所に顔を出す。個人的には短編よりも中長編・詩(『厄除け詩集』『さざなみ軍記』『黒…

病院で死ぬということ

病院で死ぬということ (文春文庫) [文庫]著者(監督):山崎章郎【概要】尊厳ある短き死か、意志なき長き生か。南極調査時の回心によりホスピスの重要性に目覚めた著者が、オムニバス形式で二種類の死に方を提示する。患者と腹を割った話し合いができた著者…

曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島

曾根崎心中 冥途の飛脚 心中天の網島―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) [文庫]著者(監督):近松門左衛門 訳注:諏訪春雄【概要】『曾根崎心中』だけ読了。近世の雰囲気を感じたい貴方に。「「アゝ嬉し」と死にに行く身を喜びし。哀れさつらさ浅ましさ。」…

東大落城

東大落城―安田講堂攻防七十二時間 (文春文庫) [文庫]著者(監督):佐々淳行【概要】機動隊の「安田城」攻めを描いたNF。凛冽な冬の日彼らは、コンクリート板、火炎瓶、硫酸が雨あられのごとく降る中をひたすら進んだ。達意平明な文章の中に「東大下暗し」…

エロ事師たち

エロ事師たち (新潮文庫) [文庫]著者(監督):野坂昭如【概要】『火垂るの墓』しか知らなかったが、野坂昭如の本業はこっちだった。おピンクなお仕事にかかわる者たちの悲喜劇を特異な文体で描く(チューニングに時間を要す)。澁澤龍彦の解説が要領を得て…

つぶやき岩の秘密

つぶやき岩の秘密 (新潮文庫) [文庫] 著者(監督):新田次郎 【概要】 殺害未遂、幽閉、そして謎解き。ミステリー成分入りの『二十四の瞳』といった観がある。 ロマンを追う男と待つ女、そんな新田次郎的構成は他作品と共通している。 【詳細】 ジュヴナイ…

蛇のみちは

蛇のみちは 団鬼六自伝 (幻冬舎アウトロー文庫) [Kindle版]著者(監督):団鬼六【概要】SM作品で一時代を創った著者の、数奇で陽気な半生記。アウトロー文庫の名に恥じず、アウトローな人びとが多数登場する。聖俗と美醜の境界がわからなくなる。【詳細】子…

罪と罰

罪と罰〈上〉 (新潮文庫) [文庫] 著者(監督):ドストエフスキー 訳:工藤精一郎【概要】(上巻)19世紀後半のロシア。貧しさと渾沌の時代に産み落とされたラスコーリニコフ。熱に浮かされたような衝動と苦悩の双極、とめどない饒舌な会話。作家性と時代性…

深夜特急

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫) [文庫]著者(監督):沢木耕太郎【概要】(1)香港・マカオ香港からロンドンまで陸路で行こうと試みるルポ。第一巻は香港・マカオをぶらつく。特に大したことはしていないのだが、文体に読ませる力がある。ゼヒ続巻も…

バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) [Kindle版]著者(監督):前野ウルド浩太郎【概要】バッタを追い求めてアフリカはモーリタニアまで跳ぶ。研究の道の厳しさと楽しさ、たくましさと泥臭さがないまぜになっており、面白く読めることうけあい。【詳細】…

グッド・バイ

グッド・バイ (新潮文庫) [文庫]著者(監督):太宰治【概要】故郷や出自、新時代や女性への失望・恐怖が饒舌に織りこまれた短編・戯曲16篇を収めた。『美男子と煙草』の「これからどんどん生長しても、少年たちよ、容貌には必ず無関心に、煙草を吸わず、お…

栄光の岩壁

栄光の岩壁〈上〉 (新潮文庫) [文庫]著者(監督):新田次郎【概要】タケタケの血まみれリハビリと再起が胸を打つ。就職と結婚で一時弛緩するも、やはり彼は山に憑かれた山バカであった。海外遠征の痛々しい死闘を経て、栄光と寂寥のラストへ。こうはなりた…

死顔

死顔 (新潮文庫) [文庫]著者:吉村昭【概要】老境に達した著者の小品を取り揃える。一度死の淵をさまよった若き日の原体験、老いと死に向き合っていく心境が窺い知れて興味深い。巻末には妻の津村節子が登場。文学者夫婦には憧れる。【詳細】『ひとすじの煙…

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい (双葉文庫) [文庫]著者:住野よる【概要】ポンクジュ大先生ご推薦。『君嘘』(や『いちご同盟』)と類似した構造。終幕がやや唐突なのが気になるが、若き者のちょっとした内面の揺動、微かすぎて気づかないほどの所作、そんなものに対す…

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている

紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている: 再生・日本製紙石巻工場 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) [文庫]著者:佐々涼子評価:B【概要】津波で被災した日本製紙石巻工場が復活するまでを描いたノンフィクション。震災直後の凄惨な状態から半年で8号、1年で…

平時の指揮官 有事の指揮官

平時の指揮官有事の指揮官―あなたは部下に見られている (文春文庫) [文庫]著者:佐々淳行評価:B【概要】現場指揮官の心得と人心掌握の秘訣を説く。警備の現場経験があるため著者の言葉に重みがある。アレクサンドロス・ザ・グレートやハンニバル、スキピオ…

銀河鉄道の夜 他十四篇

銀河鉄道の夜 他十四篇 (岩波文庫 緑76-3) [文庫]著者:宮沢賢治 編:谷川徹三評価:B+【概要】自然科学と宗教の風味を纏ったケンヂ童話集。『銀鉄』『注文』以外にも意外といいのがあるよ。風と水と土と光とほんたうのさいはひを求め、さあ冒険だ!【詳細】…

河童・或阿呆の一生

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫) [文庫]著者:芥川龍之介評価:B+【概要】自伝的な『大導寺信輔の半生』から『歯車』に至る著者晩年の作品を収録。冷笑と虚飾と絶望に満ちた物語の至る所に、頭でっかち近代的知識人の精神的破綻が冷徹に点綴されており、しん…

焦茶色のパステル

焦茶色のパステル (講談社文庫) [文庫]著者:岡嶋二人評価:B【概要】競走馬の毛色にまつわるミステリー。頁を繰る度に?が蓄積していき、?が解けるかと新たな情報に期待すればまた混乱が。辛抱強く付き合っていると?の数々が解消される。読者の好奇心と欲…

連合赤軍「あさま山荘」事件

連合赤軍「あさま山荘」事件 (文春文庫) [Kindle版]著者:佐々淳行評価:B+【概要】経済的繁栄を謳歌する昭和日本の暗黒面。日本人の9割をテレビに釘付けにした連合赤軍「あさま山荘」事件を、現場指揮官が描く。実例と寸言に満ちたリーダーシップ論でもあ…

堤中納言物語

堤中納言物語 (岩波文庫) [文庫]著者:? 校注:大槻修評価:B+【概要】『虫めづる姫君』『ほどほどの懸想』『はいずみ』『貝合』などの秀作十編をつつんだ平安アンソロジー。話の運び方や型、オムニバス形式など、現代でも通用する手法がこれでもかと盛り込…